まーさん超訳『竹取物語』~くらもちの皇子と蓬莱の玉の枝①~
昨日は、息子の小学校で、読み聞かせのボランティアがありました。
まーさんの担当は4年生。
少しお兄さん・お姉さんになった中学年の子供達に、こんなお話はどうかなと思い、読んだのがこれです。
大好きなおじいちゃんを、急な心臓発作で亡くしたエリック。そのエリックのもとに、おばけになったおじいちゃんが夜な夜な現れます。「人がおばけになるのは、この世に忘れ物をしたから」――このことを知ったエリックとおじいちゃんは、その日から「おじいちゃんの忘れ物は何か」を探し始めます。そして・・・。
最後の場面で、まーさんは必ず泣いてしまいます。
今回も、読み聞かせの最中に子供達の前で泣いてしまわないかと、少し不安でしたが、かろうじて踏みとどまりました(^^ゞ(・・・ちょっと声が震えてしまったかもしれないデスが・・・)
もし機会がありましたら、皆様も手に取ってお読みになってみてください^^心に響く、とても良いお話です。
読み聞かせの後は、ボランティアメンバーと共に、3月の「6年生卒業おめでとうイベント」についての打ち合わせ。その後は、学校近くのこぢんまりとした割烹(一日一組限定。予約制)で、楽しくランチをいただきました。
美味しいお食事に盛り上がっていると、お店の女主人から「ウチで作っているオリジナルの日本酒があるから、ちょっと試飲してみる?」とのお言葉。「わあ~~いいんですか~~(喜)」と一同色めき立ち(笑)、まーさんも少しだけ試飲させていただきました。ものすごく!!美味しいお酒でした^^辛口で、まーさん好み。試飲、と言いつつ他のメンバーはぐいぐいと・・・う~む、昼間から良いのだろうか、いやいや良いのです、たまにはね・・・(^▽^;)
◇
まーさん超訳
『竹取物語』~くらもちの皇子と蓬莱の玉の枝①~
《あらすじ》
くらもちの皇子は、大変策略に長けた人だったので、朝廷には「築紫の国(福岡県)に湯治に参ります」と休暇を申し出る一方、かぐや姫には「玉の枝を取りに参ります」と言い、難波(淀川の河口)に下ったのだった。こっそり事を進めるために、わずかな近習だけを供とし、見送りの家来達すらも騙して、いかにも「皇子は船にて出発なさった」と見せかけ、実は三日ほどで港に戻って来たのであった。
かねてから準備していた通り、皇子は、その当時最高とされた鍛冶工匠(かじたくみ)をお召しになり、たやすく人が寄り付けない家を作り竈(かまど)を三重にも囲い、工匠らをそこに入れ、自らも同じ所にこもり、財産をすべて投入して、玉の枝の偽物ををお作りになった。
こうして皇子は、かぐや姫に言われたとおりの玉の枝を、寸分違わず作り上げてしまったのである。皇子は、出来上がった枝を密かに難波へ持ち出し、「今、船に乗って帰って来た」と芝居をし、たいそう苦しそうな様子でそこに座っている。自邸からの迎えも多く参上し、玉の枝を長びつに入れて覆いを掛け、皆で京へと持ち帰る。人々はどこで聞いたのか、「くらもちの皇子は優曇華の花(うどんげのはな)を持って京にお戻りになった!」と騒ぎ立てる。これを聞いたかぐや姫は、「わたくしは、この皇子にきっと負けてしまう・・・」と思い、心配で動悸がおさまらない。
こうしているうちに、くらもちの皇子が旅装も解かず姫の家にいらした、というので、早速翁がお会いになる。皇子は、「命がけであの玉の枝を持って帰って来ました。姫にお見せ申し上げて下さい。」というので、翁は文の結び付けてあるその玉の枝をかぐや姫にお見せになる。
いたづらに身はなしつとも玉の枝を手折らでさらに帰らざらまし
≪この身はむなしく終わってしまったとしても、
玉の枝を手折らずに帰ってくることがあったでしょうか
――決してそのようなことはなかったでしょう≫
かぐや姫は思わず、玉の枝にもこの歌にも、しみじみと心うたれてじっと眺めやっている。と、翁も慌ててやって来て、「くらもちの皇子は、あなたのおっしゃった玉の枝を、旅装のまま寸分違わぬ姿でお持ちになりました。この上は一刻も早く妻としてお仕え申し上げなされませ。」という。姫は思いがけない事態に物も言わず、頬杖をつき、たいそう嘆かわしげにうち沈んでいる。
くらもちの皇子は「姫よ、今さら何を言うべきことがありましょうや。」と、ずうずうしく縁側まで這い登ってくる。翁も「ごもっともです。あなた様は、お人柄もたいそう優れていらっしゃいます。」などという。かぐや姫は「結婚しろという親のお言葉を、お断りし続けるのが気の毒ゆえ、あのような難題を持ちかけましたのに・・・」と言い、皇子にしてやられたと、いまいましく思っている。気の早い翁は、もう寝室の中を整え準備などをする。
次回に続きます。
参考文献
*『日本古典文学全集8 竹取物語 伊勢物語 大和物語 平中物語』(小学館)
*『岩波古語辞典』(大野晋 佐竹昭広 前田金五郎 編)
にほんブログ村
まーさんの担当は4年生。
少しお兄さん・お姉さんになった中学年の子供達に、こんなお話はどうかなと思い、読んだのがこれです。
おじいちゃんがおばけになったわけ (2005/06) キム・フォップス オーカソン 商品詳細を見る |
大好きなおじいちゃんを、急な心臓発作で亡くしたエリック。そのエリックのもとに、おばけになったおじいちゃんが夜な夜な現れます。「人がおばけになるのは、この世に忘れ物をしたから」――このことを知ったエリックとおじいちゃんは、その日から「おじいちゃんの忘れ物は何か」を探し始めます。そして・・・。
最後の場面で、まーさんは必ず泣いてしまいます。
今回も、読み聞かせの最中に子供達の前で泣いてしまわないかと、少し不安でしたが、かろうじて踏みとどまりました(^^ゞ(・・・ちょっと声が震えてしまったかもしれないデスが・・・)
もし機会がありましたら、皆様も手に取ってお読みになってみてください^^心に響く、とても良いお話です。
読み聞かせの後は、ボランティアメンバーと共に、3月の「6年生卒業おめでとうイベント」についての打ち合わせ。その後は、学校近くのこぢんまりとした割烹(一日一組限定。予約制)で、楽しくランチをいただきました。
美味しいお食事に盛り上がっていると、お店の女主人から「ウチで作っているオリジナルの日本酒があるから、ちょっと試飲してみる?」とのお言葉。「わあ~~いいんですか~~(喜)」と一同色めき立ち(笑)、まーさんも少しだけ試飲させていただきました。ものすごく!!美味しいお酒でした^^辛口で、まーさん好み。試飲、と言いつつ他のメンバーはぐいぐいと・・・う~む、昼間から良いのだろうか、いやいや良いのです、たまにはね・・・(^▽^;)
◇
まーさん超訳
『竹取物語』~くらもちの皇子と蓬莱の玉の枝①~
《あらすじ》
くらもちの皇子は、大変策略に長けた人だったので、朝廷には「築紫の国(福岡県)に湯治に参ります」と休暇を申し出る一方、かぐや姫には「玉の枝を取りに参ります」と言い、難波(淀川の河口)に下ったのだった。こっそり事を進めるために、わずかな近習だけを供とし、見送りの家来達すらも騙して、いかにも「皇子は船にて出発なさった」と見せかけ、実は三日ほどで港に戻って来たのであった。
かねてから準備していた通り、皇子は、その当時最高とされた鍛冶工匠(かじたくみ)をお召しになり、たやすく人が寄り付けない家を作り竈(かまど)を三重にも囲い、工匠らをそこに入れ、自らも同じ所にこもり、財産をすべて投入して、玉の枝の偽物ををお作りになった。
こうして皇子は、かぐや姫に言われたとおりの玉の枝を、寸分違わず作り上げてしまったのである。皇子は、出来上がった枝を密かに難波へ持ち出し、「今、船に乗って帰って来た」と芝居をし、たいそう苦しそうな様子でそこに座っている。自邸からの迎えも多く参上し、玉の枝を長びつに入れて覆いを掛け、皆で京へと持ち帰る。人々はどこで聞いたのか、「くらもちの皇子は優曇華の花(うどんげのはな)を持って京にお戻りになった!」と騒ぎ立てる。これを聞いたかぐや姫は、「わたくしは、この皇子にきっと負けてしまう・・・」と思い、心配で動悸がおさまらない。
こうしているうちに、くらもちの皇子が旅装も解かず姫の家にいらした、というので、早速翁がお会いになる。皇子は、「命がけであの玉の枝を持って帰って来ました。姫にお見せ申し上げて下さい。」というので、翁は文の結び付けてあるその玉の枝をかぐや姫にお見せになる。
いたづらに身はなしつとも玉の枝を手折らでさらに帰らざらまし
≪この身はむなしく終わってしまったとしても、
玉の枝を手折らずに帰ってくることがあったでしょうか
――決してそのようなことはなかったでしょう≫
かぐや姫は思わず、玉の枝にもこの歌にも、しみじみと心うたれてじっと眺めやっている。と、翁も慌ててやって来て、「くらもちの皇子は、あなたのおっしゃった玉の枝を、旅装のまま寸分違わぬ姿でお持ちになりました。この上は一刻も早く妻としてお仕え申し上げなされませ。」という。姫は思いがけない事態に物も言わず、頬杖をつき、たいそう嘆かわしげにうち沈んでいる。
くらもちの皇子は「姫よ、今さら何を言うべきことがありましょうや。」と、ずうずうしく縁側まで這い登ってくる。翁も「ごもっともです。あなた様は、お人柄もたいそう優れていらっしゃいます。」などという。かぐや姫は「結婚しろという親のお言葉を、お断りし続けるのが気の毒ゆえ、あのような難題を持ちかけましたのに・・・」と言い、皇子にしてやられたと、いまいましく思っている。気の早い翁は、もう寝室の中を整え準備などをする。
次回に続きます。
参考文献
*『日本古典文学全集8 竹取物語 伊勢物語 大和物語 平中物語』(小学館)
*『岩波古語辞典』(大野晋 佐竹昭広 前田金五郎 編)
にほんブログ村
- 関連記事
-
- まーさん超訳『竹取物語』~くらもちの皇子と蓬莱の玉の枝③~
- まーさん超訳『竹取物語』~くらもちの皇子と蓬莱の玉の枝②~
- まーさん超訳『竹取物語』~くらもちの皇子と蓬莱の玉の枝①~
- まーさん超訳『竹取物語』~石作の皇子と、仏の御石の鉢~
- まーさん超訳『竹取物語』~五人の求婚者②~
スポンサーサイト