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二人の節子さん

「節分に生まれたから節子っていうの。」

こう言った二人の節子さんを思い出す。





一人は、学校の先輩。

同じブラスバンド部に所属していた。

彼女は背が高く、目がクリクリとして、

細くサラサラの髪がいつも風にたなびいているような、

そんな人だった。

頭がとても良いのだが、

それをまるで恥ずかしいことのようにひた隠し、

ちょっと着崩した制服に、微かな不良の雰囲気をにじませていた。



一方の私はというと、必要以上に真面目だったにもかかわらず、

見てくれがなぜか「生意気そうに見える」という不運のため、

悪い先輩達に、因縁をつけられることがしょっちゅうだった。



しかしこの節子先輩だけは、どういう訳か私に、

いつも優しく親しげな口調で話しかけてくれた。

笑うと目尻に少ししわが寄って、

それがまたとても不思議な愛嬌を醸し出していた。



彼女には、非常に優秀な弟がいた。

確か今は、どこかの大学の研究者になっていたと記憶している。



節子先輩ももちろん、とても成績優秀であった。

しかし、学費のかかる理系の弟のためであろうか、

高校卒業後すぐに就職した。

今は金融機関に勤める夫と共に海外で暮らし、

先ごろ日本に戻って来たと、事情通の知人に聞いた。






もう一人の節子さんは、仕事の同僚だった。

私より10歳ほど年上で、とても面倒見の良い、

頼りになるお姉さんという風情の人であった。



小柄でダンスが得意、仕事は常に全力投球。

自分がこうと信じたことは絶対に曲げなかった。

一度決めたことは、どんな困難があろうとも必ずやり遂げる。

おかしな言い方だが、非常に“男気のある女性“だった。



ある時私が、自分の不注意から、

出張先で右腕を骨折してしまったことがあった。

同僚の幾人かは、この私の怪我を陰で失笑していたらしい。

しかし節子さんはそんなそぶりを一切見せなかった。

偽善ではなく、心の底から私を心配し、

可能な限り仕事を肩代わりしてくれた。



彼女には子供はいないが、

背が高く、とても見目の良いご主人と二人、

仲良く暮らしている。

そして今も、当時と変わることなく、

熱心に仕事に取り組んでいると、風の噂に聞く。






節分の日、思い出す二人。

一人は風に舞う軽やかな鳥のように――

一人は寄せては返す力強い海のように――

私の人生に、ひたひたと静かに平穏を与えてくれた。



冬から春へと季節の変わる節目に生まれた二人は、

それぞれに違う形で、

昔も今も、温かい春の空気を人々に届けていることと思う。




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今日の道端で・・・




節分の節子さんに・・・  
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まーさん

Author:まーさん
息子と夫と私、考え方も行動もてんでバラバラな3人で暮らしています(笑)でも仲良しです。
音楽、映画、読書が好き。芸術鑑賞、外国語、旅行も好きです。ゆ~る・じゃぱんでは、日本大好きまーさんが暮らしのに漂う日本の香り・日本文化をゆる~く綴っていきます。

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