まーさん超訳『竹取物語』~かぐや姫帝の召しに応ぜず昇天す①~
今日の関東地方は、すっかり春の陽気。
とても暖かい一日でした。
明日からはまた、気温が下がるとのことですが、
日本の七十二候では、明日3月1日~4日は
「草木萌え動く」と言い、
しだいにやわらぐ陽光の下、草木が芽吹き出すころ。
冬の間に蓄えていた生命の息吹が外へ現れはじめる季節。
と解説されています。
(『日本の七十二候を楽しむ―旧暦のある暮らし―』
(文 白井明大 絵 有賀一広 東邦出版)より)
吹き渡る風にも、微かに新芽の青い匂いを感じます。
春の花も少しずつ開花し、
良い香りと共に鮮やかなその色が、
我々の目を楽しませてくれます。
日本人にとって新たな出発の季節である春が、
再び廻ってまいりました。
◇
ま―さん超訳『竹取物語』
~かぐや姫帝の召しに応ぜず昇天す①~
《あらすじ》
さて、かぐや姫の類まれなる美しさを帝がお聞き及びになり、帝は内侍(ないし)中臣のふさ子に仰せになる。
「多くの人が身を尽くしても結婚しなかったかぐや姫とは、一体どれほどの女か、邸に出向いて見て参れ。」
ふさ子は、仰せを承って退出した。
竹取の翁の家では、中臣のふさ子を、恐縮しつつ中に請じ入れる。その場に出た嫗に内侍が言う。
「帝より、『かぐや姫の容貌が優れているとのことだ。よく見て参れ』との仰せを承り、こちらに伺った次第です。」
嫗は、
「そういうことでしたら、姫にその旨を申し上げましょう。」
と言って、姫の元へ入る。
嫗は言う。
「早く、あの御使いの方に対面なさいませ。」
かぐや姫は、
「わたくしは、これといって素晴らしい容貌でもありません。どうしてこんな姿をお見せできましょうか。」
と言うので、嫗は、
「またもや嘆かわしいことをおっしゃる。帝の御使いを、どうしていい加減にお扱い出来ましょう。」
と言うと、かぐや姫は、
「帝が、たとえ出仕(妃としてお仕え)せよと言いましても、わたくしは恐れ多いとも思いません。」
と答えて、全く内侍に会おうともしない。嫗も、普段は自分が産んだ子のように接してはいるものの、この時ばかりは圧倒されるような態度で姫がものを言うものだから、思うままに責め立てることも出来ない。
嫗は、内侍のもとに帰って来て、
「残念ながら、この未熟で愚かな娘はたいそう強情でございまして、内侍様に対面なさろうとしません。」
と申し上げる。内侍は、
「帝から、必ずお会いして参れとの仰せがありましたのに――お会いしないでは、どうして帰参出来ましょうか。国王の仰せごとを、どうしてこの世に住む人が承らずにいられましょう。無法なことを申されますな。」
と、気後れするほどの強い語調で言う。これを聞いてかぐや姫は、なおいっそう態度を硬化させ、言うことを聞くはずもない。そして、
「国王の仰せごとに背くというのならば、早くわたくしを殺して下さい。」
などと言う。
次回に続きます。
参考文献
*『日本古典文学全集8 竹取物語 伊勢物語 大和物語 平中物語』(小学館)
*『岩波古語辞典』(大野晋 佐竹昭広 前田金五郎 編)
「帝・・・だからナニ?」byかぐや姫
↓(-_-メ)↓

にほんブログ村
とても暖かい一日でした。
明日からはまた、気温が下がるとのことですが、
日本の七十二候では、明日3月1日~4日は
「草木萌え動く」と言い、
しだいにやわらぐ陽光の下、草木が芽吹き出すころ。
冬の間に蓄えていた生命の息吹が外へ現れはじめる季節。
と解説されています。
(『日本の七十二候を楽しむ―旧暦のある暮らし―』
(文 白井明大 絵 有賀一広 東邦出版)より)
吹き渡る風にも、微かに新芽の青い匂いを感じます。
春の花も少しずつ開花し、
良い香りと共に鮮やかなその色が、
我々の目を楽しませてくれます。
日本人にとって新たな出発の季節である春が、
再び廻ってまいりました。
◇
ま―さん超訳『竹取物語』
~かぐや姫帝の召しに応ぜず昇天す①~
《あらすじ》
さて、かぐや姫の類まれなる美しさを帝がお聞き及びになり、帝は内侍(ないし)中臣のふさ子に仰せになる。
「多くの人が身を尽くしても結婚しなかったかぐや姫とは、一体どれほどの女か、邸に出向いて見て参れ。」
ふさ子は、仰せを承って退出した。
竹取の翁の家では、中臣のふさ子を、恐縮しつつ中に請じ入れる。その場に出た嫗に内侍が言う。
「帝より、『かぐや姫の容貌が優れているとのことだ。よく見て参れ』との仰せを承り、こちらに伺った次第です。」
嫗は、
「そういうことでしたら、姫にその旨を申し上げましょう。」
と言って、姫の元へ入る。
嫗は言う。
「早く、あの御使いの方に対面なさいませ。」
かぐや姫は、
「わたくしは、これといって素晴らしい容貌でもありません。どうしてこんな姿をお見せできましょうか。」
と言うので、嫗は、
「またもや嘆かわしいことをおっしゃる。帝の御使いを、どうしていい加減にお扱い出来ましょう。」
と言うと、かぐや姫は、
「帝が、たとえ出仕(妃としてお仕え)せよと言いましても、わたくしは恐れ多いとも思いません。」
と答えて、全く内侍に会おうともしない。嫗も、普段は自分が産んだ子のように接してはいるものの、この時ばかりは圧倒されるような態度で姫がものを言うものだから、思うままに責め立てることも出来ない。
嫗は、内侍のもとに帰って来て、
「残念ながら、この未熟で愚かな娘はたいそう強情でございまして、内侍様に対面なさろうとしません。」
と申し上げる。内侍は、
「帝から、必ずお会いして参れとの仰せがありましたのに――お会いしないでは、どうして帰参出来ましょうか。国王の仰せごとを、どうしてこの世に住む人が承らずにいられましょう。無法なことを申されますな。」
と、気後れするほどの強い語調で言う。これを聞いてかぐや姫は、なおいっそう態度を硬化させ、言うことを聞くはずもない。そして、
「国王の仰せごとに背くというのならば、早くわたくしを殺して下さい。」
などと言う。
次回に続きます。
参考文献
*『日本古典文学全集8 竹取物語 伊勢物語 大和物語 平中物語』(小学館)
*『岩波古語辞典』(大野晋 佐竹昭広 前田金五郎 編)
「帝・・・だからナニ?」byかぐや姫
↓(-_-メ)↓

にほんブログ村

- 関連記事
-
- まーさん超訳『竹取物語』~かぐや姫帝の召しに応ぜず昇天す③~
- まーさん超訳『竹取物語』~かぐや姫帝の召しの応ぜず昇天す②~
- まーさん超訳『竹取物語』~かぐや姫帝の召しに応ぜず昇天す①~
- まーさん超訳『竹取物語』~石上の中納言と燕の子安貝②~
- まーさん超訳『竹取物語』~石上の中納言と燕の子安貝①~
スポンサーサイト