矢野顕子『ラーメン食べたい』と、和食のグローバル化
まーさんの愛用する手帳は、
糸井重里氏プロデュースの『ほぼ日手帳cousin』です。
非常に使い勝手の良いシロモノで、
スケジュールから日記、覚え書き、スクラップなど、
あらゆる必要事項を一冊に網羅することができます。
この手帳のユニークな点は、1日1ページの日記欄・欄外に、
「日々の言葉」(「ほぼ日刊イトイ新聞」からの抜粋)が
載せられていることです。
時には笑い、時には唸ってしまう言葉の数々。
毎日ページを開くたび、
そこから不思議なインスピレーションをもらえる気がします。
ところで先日、8月25日・26日の「日々の言葉」には、
こんな文章が載せられていました。
『ラーメン食べたい』は矢野顕子さんの作詞ですけど
あの歌のすごさは、ラーメンというものがひとりの象徴だからです。
鍋とは対極にあるもので、ひとりきりで最初から最後まで食べる。
あの歌にみんなが共感するのは
みんながひとりぼっちになったことがあるからです。
―――糸井重里が『矢野顕子の音楽の稽古場』の中で
ラーメン食べたいってときは、
ラーメンしか食べたくないじゃない?
うどんで代用きかないんです。
いまの「あ゛ーーー」という気持ちを
歌にしたんですよ。
―――矢野顕子さんが『矢野顕子の音楽の稽古場』の中で
なるほど、糸井氏の解釈「ラーメンは一人の象徴」・・・
うむむ、すごいですね、その通りです。参りました。
「みんながひとりぼっちになったことがあるから、あの歌に共感する」
って、確かにね~~。
子供の頃この歌を聴いた時、まーさん、いまいち歌詞の内容に
ピンと来るものがありませんでした(苦笑)。
そして当時、細野晴臣氏がラジオで
「アッコちゃん(矢野氏)の『ラーメン食べたい』はキツイよね~~」
と仰っていたのも、実はよく理解できていませんでした。
しかし今は・・・痛いほどよく分かります(涙)
ということで、我らがアッコちゃんの『ラーメン食べたい』を
(よろしければ)お聴き下さい。
・・・
いかがでしたでしょうか。
イヤ~~大人の歌ですね~~。
♪男もつらいけど女も辛いのよ
♪友達になれたらいいのに
って、ホントにねえ、とため息ついてしまいます(笑)
ここで少し話は飛びますが、
先日YouTubeで清水ミチコ氏のラジオ番組
(アッコちゃんがゲストでした)を視聴していましたところ、
彼女から、ラーメンについての面白い話が飛び出してきました。
うむむ・・・アッコちゃんの熱烈なファン、
ナイツのお2人のトークがさく裂していましたが――
現在ニューヨークにお住いのアッコちゃんは、
「日本に帰っていらした時は何を食べますか」との質問に
「やっぱりラーメンかなあ」と答えていらっしゃいました。
そして今、ニューヨークではラーメン――
とりわけ、とんこつラーメンの人気がすごく、
あの『一風堂』が大成功を収めている、
というお話も飛び出しました。
これはまーさん、初耳でした。近頃外国人に、
ラーメン好きが増えていることは知っておりましたが、
まさかあの、クセのあるとんこつラーメン
(の『一風堂』)が人気を博しているとは。
一体どうやって『一風堂』は、
ニューヨーカーの心を掴んだのでしょうか??
と疑問を持っていたところ、たまたま読み始めたこちらの本に、
『一風堂』についての興味深い記述がありました
(何だこのシンクロは・・!!次々と情報がリンクしていく・・!!)
著者の辻芳樹氏によれば、「和食」が異文化で成功するために
絶対必要なものは「変換力」だと言います。
そして今、ニューヨークで大成功を収めている『一風堂』には、
その「変換力」が備わっているというのです。
具体的には・・・
『一風堂』ニューヨーク店では、『赤丸新味』や『白丸元味』といった、
日本国内でも大人気のラーメンをそのままの味付けで用意する一方
ニューヨークならではの一工夫=「変換」を行っているとのこと。
その変換とは――
驚くべきことですが、
店での食事全体を「コース料理」にしているというのです。
えっ?? ラーメンでコース料理・・・
一体どのようにしたらラーメンがコースになるのでしょうか
(まず日本では考えられませんが)。
氏によれば、『一風堂』ニューヨーク店では、
欧米の「食文化」(最初にウェイティングルームで食前酒と会話を楽しみ、
それからメインディッシュに移る)に則り、
店内にカウンターコーナーを設けて食前酒と前菜を振る舞い、
会話も気持も弾んだところでメインのラーメンが出てくる、
という一連の流れが作られているというのです。
そうやって人々は店内で二時間以上を過ごし(驚)、
一人5000円(約50ドル)を払っていくとのこと(驚驚)
ラーメン店で5000円――日本ではありえない金額ですが、
これこそが『一風堂』の成功の秘訣だと辻氏は言います。
氏の論を一部抜粋します。
つまり『一風堂』は自ら絶対の自信を持つラーメンの味覚を、
それだけで勝負したわけではない。ラーメンという日本の単品料理を、
欧米人の「食文化」の流れの中に入れ込む「変換」を施した。
その結果、大成功を得たのである。
なるほど、「和食」のグローバル化には、
この「変換力」こそが必要不可欠なのですね。納得です。
本書『和食の知られざる世界』は、
辻調理師専門学校校長・辻調グループ代表の辻芳樹氏が、
料理研究者として名高い父・辻静雄氏から受けた英才教育をベースに、
和食の現状と未来を鋭く論じた一冊であります。
2013年、「和食」はユネスコの無形文化遺産に登録されましたが、
今後その「和食」がどのような方向に向かうべきか、
驚くべき知識と経験をもとに、氏はグローバルな視点から
その希望的未来と問題点を余すところなく語っておられます。
実はまーさん、本書を読み始めたばかりでして、
まだ最後まで読み通してはおりません(汗)。
読了しましたら是非、皆さまにその内容と感想を
お伝えしたいと思っております。
いま、世界は空前の「和食」ブーム――
だからこそ一度、我々日本人も「和食」に対し、
閉じられた輪の中での近視眼的な見方を離れ、
俯瞰的視点をもって眺めることが肝要かと思われます。
そうすることで、
ひいては「世界における日本(人)の振る舞い方」を考える
一つのきっかけを得ることが出来るのではないかと、
少々大袈裟ではありますが、そんなことをつらつらと、
考えたりするのであります。
「ラーメン食べた」くなった方はぽちっと!
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ありがとうございます!
糸井重里氏プロデュースの『ほぼ日手帳cousin』です。
非常に使い勝手の良いシロモノで、
スケジュールから日記、覚え書き、スクラップなど、
あらゆる必要事項を一冊に網羅することができます。
この手帳のユニークな点は、1日1ページの日記欄・欄外に、
「日々の言葉」(「ほぼ日刊イトイ新聞」からの抜粋)が
載せられていることです。
時には笑い、時には唸ってしまう言葉の数々。
毎日ページを開くたび、
そこから不思議なインスピレーションをもらえる気がします。
ところで先日、8月25日・26日の「日々の言葉」には、
こんな文章が載せられていました。
『ラーメン食べたい』は矢野顕子さんの作詞ですけど
あの歌のすごさは、ラーメンというものがひとりの象徴だからです。
鍋とは対極にあるもので、ひとりきりで最初から最後まで食べる。
あの歌にみんなが共感するのは
みんながひとりぼっちになったことがあるからです。
―――糸井重里が『矢野顕子の音楽の稽古場』の中で
ラーメン食べたいってときは、
ラーメンしか食べたくないじゃない?
うどんで代用きかないんです。
いまの「あ゛ーーー」という気持ちを
歌にしたんですよ。
―――矢野顕子さんが『矢野顕子の音楽の稽古場』の中で
なるほど、糸井氏の解釈「ラーメンは一人の象徴」・・・
うむむ、すごいですね、その通りです。参りました。
「みんながひとりぼっちになったことがあるから、あの歌に共感する」
って、確かにね~~。
子供の頃この歌を聴いた時、まーさん、いまいち歌詞の内容に
ピンと来るものがありませんでした(苦笑)。
そして当時、細野晴臣氏がラジオで
「アッコちゃん(矢野氏)の『ラーメン食べたい』はキツイよね~~」
と仰っていたのも、実はよく理解できていませんでした。
しかし今は・・・痛いほどよく分かります(涙)
ということで、我らがアッコちゃんの『ラーメン食べたい』を
(よろしければ)お聴き下さい。
・・・
いかがでしたでしょうか。
イヤ~~大人の歌ですね~~。
♪男もつらいけど女も辛いのよ
♪友達になれたらいいのに
って、ホントにねえ、とため息ついてしまいます(笑)
ここで少し話は飛びますが、
先日YouTubeで清水ミチコ氏のラジオ番組
(アッコちゃんがゲストでした)を視聴していましたところ、
彼女から、ラーメンについての面白い話が飛び出してきました。
うむむ・・・アッコちゃんの熱烈なファン、
ナイツのお2人のトークがさく裂していましたが――
現在ニューヨークにお住いのアッコちゃんは、
「日本に帰っていらした時は何を食べますか」との質問に
「やっぱりラーメンかなあ」と答えていらっしゃいました。
そして今、ニューヨークではラーメン――
とりわけ、とんこつラーメンの人気がすごく、
あの『一風堂』が大成功を収めている、
というお話も飛び出しました。
これはまーさん、初耳でした。近頃外国人に、
ラーメン好きが増えていることは知っておりましたが、
まさかあの、クセのあるとんこつラーメン
(の『一風堂』)が人気を博しているとは。
一体どうやって『一風堂』は、
ニューヨーカーの心を掴んだのでしょうか??
と疑問を持っていたところ、たまたま読み始めたこちらの本に、
『一風堂』についての興味深い記述がありました
(何だこのシンクロは・・!!次々と情報がリンクしていく・・!!)
![]() | 和食の知られざる世界 (新潮新書) (2013/12/14) 辻 芳樹 商品詳細を見る |
著者の辻芳樹氏によれば、「和食」が異文化で成功するために
絶対必要なものは「変換力」だと言います。
そして今、ニューヨークで大成功を収めている『一風堂』には、
その「変換力」が備わっているというのです。
具体的には・・・
『一風堂』ニューヨーク店では、『赤丸新味』や『白丸元味』といった、
日本国内でも大人気のラーメンをそのままの味付けで用意する一方
ニューヨークならではの一工夫=「変換」を行っているとのこと。
その変換とは――
驚くべきことですが、
店での食事全体を「コース料理」にしているというのです。
えっ?? ラーメンでコース料理・・・
一体どのようにしたらラーメンがコースになるのでしょうか
(まず日本では考えられませんが)。
氏によれば、『一風堂』ニューヨーク店では、
欧米の「食文化」(最初にウェイティングルームで食前酒と会話を楽しみ、
それからメインディッシュに移る)に則り、
店内にカウンターコーナーを設けて食前酒と前菜を振る舞い、
会話も気持も弾んだところでメインのラーメンが出てくる、
という一連の流れが作られているというのです。
そうやって人々は店内で二時間以上を過ごし(驚)、
一人5000円(約50ドル)を払っていくとのこと(驚驚)
ラーメン店で5000円――日本ではありえない金額ですが、
これこそが『一風堂』の成功の秘訣だと辻氏は言います。
氏の論を一部抜粋します。
つまり『一風堂』は自ら絶対の自信を持つラーメンの味覚を、
それだけで勝負したわけではない。ラーメンという日本の単品料理を、
欧米人の「食文化」の流れの中に入れ込む「変換」を施した。
その結果、大成功を得たのである。
なるほど、「和食」のグローバル化には、
この「変換力」こそが必要不可欠なのですね。納得です。
本書『和食の知られざる世界』は、
辻調理師専門学校校長・辻調グループ代表の辻芳樹氏が、
料理研究者として名高い父・辻静雄氏から受けた英才教育をベースに、
和食の現状と未来を鋭く論じた一冊であります。
2013年、「和食」はユネスコの無形文化遺産に登録されましたが、
今後その「和食」がどのような方向に向かうべきか、
驚くべき知識と経験をもとに、氏はグローバルな視点から
その希望的未来と問題点を余すところなく語っておられます。
実はまーさん、本書を読み始めたばかりでして、
まだ最後まで読み通してはおりません(汗)。
読了しましたら是非、皆さまにその内容と感想を
お伝えしたいと思っております。
いま、世界は空前の「和食」ブーム――
だからこそ一度、我々日本人も「和食」に対し、
閉じられた輪の中での近視眼的な見方を離れ、
俯瞰的視点をもって眺めることが肝要かと思われます。
そうすることで、
ひいては「世界における日本(人)の振る舞い方」を考える
一つのきっかけを得ることが出来るのではないかと、
少々大袈裟ではありますが、そんなことをつらつらと、
考えたりするのであります。
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