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「みちのくの仏像」と谷中散歩

春分を過ぎました。
暖かさと共に、花粉も飛び放題(笑)
顔のあたりが重たい毎日です(^^ゞ


ところで――
まーさんの住むマンションは、ただ今大規模修繕中でして、
ベランダの向こう側は足場とネット。
普段は洗濯物を外に干すことが出来ません。

が、今日は日曜日。工事もお休みなので、
久々に洗濯物を外干ししました。
張り切ってベランダに出ますと、
そこはかとなく良い花の香りが・・・
あれ、何でしょう?梅はもう終わりのはずですが・・・
いや~~春だなあ、花の香りとは。
何だか嬉しいなあ^^

と思いきや、ハッと気がつくまーさん。
何のことはない、
これはワタクシが今から干そうとしている洗濯物の
柔軟剤の香りでした・・・(爆)


              ◇



さ、さて。気をとり直して。
先日、十日ほど前になりますが
3月11日に、夫の誘いで
上野の東京国立博物館で催されている
「みちのくの仏像」展に行ってまいりました。

夫曰く「少し早いホワイトデーのプレゼント」とのことで、
チケット代・音声ガイド代などを奢ってもらいました(笑)

夫はあちこち歩くのが好きなので、
地元の人しか知らないような抜け道をよく知っています。
この日も入谷で電車を降り、博物館まで入り組んだ裏路地を
くねくねと散歩しながら向かいました。

東京国立博物館は、まーさんが大好きな場所です。
学生時代、暇があるとここに来て
外のベンチに座り、いつまでも空を眺めたり、
閉館間際の館内で、美しい日本刀に見入ったりしていました。
重厚な建物に響く自分の足音が、
静寂をさらに際立たせる、
そんな仄暗い切なさに満ちた、とっておきの場所なのです。
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               ◇



この日は折しも、東日本大震災からちょうど4年が経った3月11日。
特別な思いと共に、「みちのくの仏像」の数々を拝ませていただきました。
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夫の計らいで借りた音声ガイド機からは、
薬師丸ひろ子さんの心地よい声で
仏像の特徴や歴史が語られていきます。

岩手・山形・宮城・福島・秋田・青森。
東北の各所に伝わる素朴な美しさ、優しさに満ちた仏さまは
いつまでもいつまでも眺めていたいと思わせる
温かさを放っておいででした。

震災によって倒壊し、数年をかけて修復された仏さま。
また偶然にも、
ちょうど震災の起きた時刻にまーさんが拝見した仏さまは、
大昔、やはり大地震の被害に遭われたという
謂れを持った仏像でした。

どの仏さまも、素晴らしく心惹かれるご様子なのですが、
中でもまーさんが心に残ったのは
円空作、青森・常楽寺の「釈迦如来立像」です。
黒光りするお姿。切れ長の目。微かに笑みを浮かべた口元。
木のぬくもりをのままに感じられる素朴な、しかし美しいお姿に、
目を離すことが出来ません。

この他にも
秋田・龍泉寺「十一面観音菩薩立像」(円空作)
岩手・天台寺「聖観音菩薩立像」
岩手・毛越寺「訶梨帝母坐像」
など、心惹かれる仏さまに、たくさんお会いすることが出来ました。

本特別展は、東京国立博物館にて4月5日まで開催されています。
小ぢんまりとした企画展ですが、非常に満足度が高く、
「観てよかった」と心から思える時間が過ごせることは
間違いありません。
もし機会がありましたら、ぜひ足を運んでいただきたく思います。



               ◇



という訳で、博物館を後にし、
夫とまーさんは、息子の帰宅時間まで
少し谷中界隈を散歩することにしました。
芸大前を通り、谷中墓地を右手に見て、
有名な「全生庵」をはじめとする寺町の坂を下り、
まーさんの大好きな喫茶「乱歩」、千代紙「いせ辰」、
風情ある「菊見せんべい」、時計台が特徴的な「谷中小学校」を
右に左に見つつ、千駄木から地下鉄に乗って帰路につきました。

幼い頃から慣れ親しんだ谷中を久々に散歩。
とても満足な一日でした。



              ◇




おまけ。

ホワイトデーのプレゼントということで
「みちのくの仏像」展に連れて行ってもらったまーさんですが、
この数日後、夫からさらに、お菓子までも貰ってしまいました。
どうしたんだ・・・この大盤振る舞い・・・(むしろコワい・・・汗)
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カヌレです。もちもちして美味しかったデス。




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因みに、夫にあげたバレンタインチョコ。ベルギー産。

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と、息子にあげたドラゴンボールチョコ。
めちゃくちゃ喜んでいました(笑)







散歩に良い季節となりました。
皆様おススメのお散歩コース、教えて下さい!
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雛祭り~泉鏡花、そしてお祝い膳~

今年に入ってから、ハプニング続きのまーさん家族。
病気に怪我に交通事故・・・
家族の誰かが、常に普通でない状態に置かれているという・・・
これはいったい何の呪いなのか・・・(@_@)


――と言いつつ、まーさんはそれ程へこたれていません。
以前でしたら
「あ゛~~~何で私ばっかりこんな目に遭うのか」
などと、きっと考えていたと思いますが、
最近では、どんなことも深刻に考えない、いやむしろそれを面白がる、
という高等技術を徐々に身につけつつあります(笑)


とはいえ、ハプニングは何といっても疲れるもの。
よって毎日の精神疲労が半端なく、
とうとう2月はブログの更新が2回しかできませんでした(*_*;(*_*;


3月は年度末ということで、またもや忙しい日々となりますが(汗)
楽しい記事の更新が“楽しく”できますよう、
これ以上のハプニングに見舞われないことを切に願っている次第です(笑)



               ◇



ところで。
本日は桃の節句・雛祭りですね。
我が家には娘がおりませんので、
華やかな雛祭りのお祝いとは、毎年無縁の状態です(寂)
しかし、ワタクシも一応女子(婦人?)ですので、
少しばかり雛祭りの気分を味わいたい、ということで、
今日はそれらしいお料理で夕食を彩ってみたいと考えています。

              



さて。
雛祭りの季節になると必ず思い出すのが、
まーさんの大好きな泉鏡花の短編『雛がたり』です。
鏡花短篇集 (岩波文庫)鏡花短篇集 (岩波文庫)
(1987/09/16)
泉 鏡花

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文庫本でわずか9ページの小品。

『枕草子』に『膝栗毛』、古典をはらはらと散りばめつつ、きらめくような美しい文章から立ち上るのは、目の前の現実にひっそりと影のように潜む幻想の世界――

三月半ば、静岡の町に旅した主人公は、立ち寄った一軒の餅屋の奥座敷で、不思議な光景を目にします。




遠くで、内井戸の水の音が水底へ響いてポタン、と鳴る。
不思議に風が留(や)んで寂寞(ひっそり)した。
 見上げた破風口は峠ほど高し、とぼんと野原へ出たような気がして、
縁に添いつつ中土間を、囲炉裏の前を向こうへ通ると、
桃桜溌(ももさくらばつ)と輝くばかり、五壇一面の緋毛氈、
やがて四畳半を充満(いっぱい)に雛、人形の数々。
 ふとその飾った形も姿も、昔の故郷(ふるさと)の雛によく肖た、
と思うと、どの顔も、それよりは蒼白くて、
衣も冠も古雛の、丈が二倍ほど大きかった。
 薄暗い白昼(まひる)の影が一つ一つに皆映る。
 背後(うしろ)の古襖が半ば開いて、奥にも一つ見える小座敷に、
また五壇の雛がある。不思議や、蒔絵の車、雛たちも、
それこそ寸分違わない古郷(ふるさと)のそれに似た、と思わず伸上がりながら、
ふと心づくと、前の雛壇におわするのが、いずれも尋常(ただ)の形でない。
雛は両方さしむかい、官女たちは、横顔やら、俯向いたの。
お囃子はぐるり、と寄って、鼓の調糸(しらべ)を緊(し)めたり、解いたり、
御殿火鉢も楽屋の光景。
 私は吃驚(びっくり)して飛退いた。
 敷居の外の、苔の生えた内井戸には、いま汲んだような釣瓶の雫、
――背戸は桃もただ枝の中に、真黄色に咲いたのは連翹の花であった。
 帰りがけに密(そっ)と通ると、何事もない。襖の奥に雛はなくて、
前の壇のも、烏帽子一つ位置のかわったのは見えなかった。
――この時に慄然(ぞっ)とした。




本当は、全文引用したいほどのうっとりする文章。
特に、雛祭りの細々した料理や雛壇の様子を描いたくだりは圧巻です。

ひっそりした奥座敷で見かけた、お雛様の異形の姿。
井戸の雫、連翹の花。圧倒的な静寂の中で垣間見る、一瞬の魔の世界。これは果たして気のせいか、それとも現実の中に潜む異空間がふと立ち現れたか――

鏡花短編集。機会があればぜひ、お手に取ってパラパラと眺めて見て下さい。きっとその“見た目にも美しい独特の文章”に、暫し現実を忘れることでしょう。



               ◇



さて、話は変わりまして。
一挙にリアルなこの世の出来事に立ち戻ります(笑)
本日の我が家の夕食でございます。
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雛祭りの定番となりつつある”ちらし寿司”
冷蔵庫にあった材料でアレンジ。


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ミニサラダも添えてさっぱりと。

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煮物。彩りに、茹でたオクラをそのまま豪快に(笑)

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ハマグリならぬ、アサリのお吸い物。アオサが良い香りです。

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夕方、駅前のお店にて購入。”雛祭りケーキバイキング”
🌸ミルフィーユ・チーズケーキ・モンブラン・フルーツケーキ🌸

菱餅、雛あられの代わりに、こんなお菓子で雛祭り気分を味わいます。

ここに白酒があればなおよいのでしょうが、今日は息子も楽しめるように
白桃ジュースを用意しました(笑)
シャンパングラスに入れて、特別感を演出します☆



               ◇



こんなわけで、女子のいない我が家でも、”雛祭り”もどきを楽しみました。
来年も再来年も、三月三日はきっとこんな風に過ぎていくのだろうなあと、
漠然と思ったりします。

そしていつかまーさんも、泉鏡花の『雛がたり』のような、
美しくも儚い無音の幻想を
旅先の奥座敷にて垣間見てみたいと思うのであります――







参考図書:『鏡花短編集』(泉鏡花著 岩波文庫)






雛人形の危うい美しさに、いつも心奪われます。
各地に残る雛祭りの様々な風習もまた、美しいですね。

↓↓❀❀❀↓↓
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プロフィール

まーさん

Author:まーさん
息子と夫と私、考え方も行動もてんでバラバラな3人で暮らしています(笑)でも仲良しです。
音楽、映画、読書が好き。芸術鑑賞、外国語、旅行も好きです。ゆ~る・じゃぱんでは、日本大好きまーさんが暮らしのに漂う日本の香り・日本文化をゆる~く綴っていきます。

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