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”おにぎらず”と”おむすばず”再び・・・

前回の記事
「なぜ”おにぎらず”は”おむすばず”とならないのか?」

について昨日、ブログをリンクさせていただいている
「日々是好日」のsadafusa様から
大変興味深いコメントを頂きました。

当初はこのように改めて記事としてアップする予定はなかったのですが、
あまりにも面白かったのでーーやはり我慢できずにアップしてしまいました(汗)
(sadafusa様とワタクシのコメントを、そのまま貼り付けさせて頂きました)
”おむすばず”についての考察、皆さまにお読みいただければ幸いです。





               ◇ 





sadafusa様のコメントより

おむすびって漢字で書くと「お結び」ですよね。

「結ぶ」って言う言葉自体、結婚とか、結実とか、結納とか、
何かが実る、というか結果として成功したみたいな意味が
含まれるような気がするのですね。

深読みのしすぎかもしれませんが、単に握って固めた
お米を「おむすび」というのは、手で結んで、その糧を神に感謝するという
呪術的な意味があるのでは???

そういう祝福された食べ物を、「結実しなかった」という意味の
「おむずばず」とは日本人は決して言うことがないのかも。

たぶん、普通の人はそこまで深く考えているわけじゃないでしょうが、
長い長い年代を重ねて日本人は言葉の重さを
肌で感じているように思えるのですが…



まーさんのコメントより

こんにちは。
再びのコメント、ありがとうございます^^

> 深読みのしすぎかもしれませんが、単に握って固めた
> お米を「おむすび」というのは、手で結んで、その糧を神に感謝するという
 呪術的な意味があるのでは???
>
> そういう祝福された食べ物を、「結実しなかった」という意味の
> 「おむずばず」とは日本人は決して言うことがないのかも。
>
> たぶん、普通の人はそこまで深く考えているわけじゃないでしょうが、
 長い長い年代を重ねて日本人は言葉の重さを
> 肌で感じているように思えるのですが…

おお~~、すごい考察ですね(驚)
感動です。

sadabusa様のコメントを読んで
ワタクシもさらに気になり、古語辞典を引いてみました。
すると「むすび」の一つ前に「むすひ」という言葉が載っており、
漢字で書くと「産霊」となるんですが
意味は「草や苔などのように、ふえ、繁殖する意。
万物を生み出す不可思議な霊力」とありました。
本来「結び」と「産霊」は起源的に別物の語だそうですが、
後世音の類似から
この二つを関連付けて解釈されるようにもなったのだそうです。
ならば、sdafusa様のおっしゃるように
「おむすび」を「不可思議な霊力の宿る食べ物」とする解釈も
実際あるのではないかと思います!!

古語辞典では「むすび」は「紐の端・両手の指などを固く絡み合わせて、
離れないようにする」意、
「にぎり」は「手の指を内側に曲げて、しっかりと保つ」意であるとのこと。
とすると「手で作った食べ物」
のニュアンスがよりはっきりと出ている「おにぎり」のほうが
「おむすび」に比べて造語を作りやすい(イメージがわきやすい)
ということが言えるのかもしれません。
音声学的、というより、やはり意味の上で「にぎり」のほうがより
「手のイメージ」を再現できる ということなのでしょうね。

sadafusa様のコメントから「おにぎらず」についての考察を
更に深めることが出来ました。
このリコメは、もしかして改めて記事に起こすべきか?!
ぐらいな感を持ちましたが(笑)
「もしご興味がある方がこのコメント欄を読んで下さればそれでよいか~~」
ということで、このままにしておきます(爆)

長文失礼しました~~(≧▽≦)







と言いながら、
コメント欄を放置できなかったまーさんなのでした・・・

(sadafusa様、お断りもなくコメントを記事にしてしまい
本当に恐縮の至りです・・・(謝)
ぜひとも当ブログをお読みの皆さまにシェアしたいという思いが強く
このような仕儀に相成りました。
sadafusa様はじめ、
いつもワタクシの拙文に素敵なコメントをくださる皆さま、
皆さまのおかげでまーさんはこうして細々とではありますが
ブログを続けることができております。
この場をお借りして感謝申し上げます。
本当にありがとうございます。)





               ◇  





”おにぎり”と”おむすび”の語源は諸説あるようですが、
どの説を読んでもやはり
「お米と日本人との長い歴史における密接な関係」
あるいは
「おにぎりという携帯食に対する日本人の深い愛着」
を感じずにはいられません。






日本人の原点ともいうべき”おにぎり(おむすび)”と、
日本食の新たな可能性を感じさせる”おにぎらず”

新旧いずれにしても、この食べ物から我々は
ワクワクする気持ち、また温かい気持ちを
感じることができるのではないでしょうか。
そして、少々大げさではありますが、
過去・現在・未来を同時に感じ、味わい尽くす
贅沢なひと時を提供してくれるのが
この”おにぎり””おにぎらず”ではないかと、
まーさんは思うのであります。





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”おにぎらず”の妙とフシギ

先日、急に思い立って作ってみました

IMG_1796_convert_20150622143434.jpg

皆さまこれ、ご存知ですか?
これこそが今、巷で大人気の”おにぎらず”です。

まーさんは書店でこの”おにぎらず”の本がずらりと並んでいるのを見てから、
ずっと気になっておりました。
しかし「作るのめんどくさそう・・・」
という先入観ゆえに(苦笑)ずっとそのまま放置していたのです。





ところが、5月に行われた息子の運動会前日、
予約していた美容室でいつもカットをお願いしている美容師さんから
「”おにぎらず”って知ってますか?あれ、とってもきれいで作るのも簡単ですよ」
というお話を聞き、さらには翌日の運動会で
知り合いのママが”おにぎらず”をお弁当に持って来ていたのを見て
もう無性に気になってしまい、
「”おにぎらず”作ってみたい!!」
という衝動が抑えきれなくなりました(笑)

そしてとうとう書店で本を買い求め、
ありあわせの材料で”おにぎらず”、作ってみたという訳です。
(それが冒頭の写真です)

卵焼き、梅干し、ハム、カニカマ、チーズ・・・
その時家にあった材料のみで作りましたが
息子は「きれい♪美味しい~~♪」
と言って喜んで食べていました。





ご参考までに「”おにぎらず”の作り方」動画を添付いたします。
ここでは「浜乙女塩付きのり全型」を使用しておりますが、
普通の焼き海苔でも全然大丈夫です。



いかがでしたでしょうか。
意外と簡単に出来て、見た目もとても華やかではありませんか?
もし機会がありましたら皆さま、是非挑戦なさって見て下さい^^

いろんな具材が挟めるところが魅力の”おにぎらず”
レシピ本もたくさん出版されております。
ワタクシもこれから、美味しくて美しい具材を工夫して
”おにぎらず”極めてみたいと思っております(≧▽≦)





ところで、この”おにぎらず”。
元々は漫画『クッキングパパ』(講談社刊)第22巻で
「超簡単おにぎり」として紹介されたのが始まりだそうです。
「握らないおにぎりだから”おにぎらず”」
このネーミングがいかにも良いですよね。
とてもユニークでインパクトあります。





しかしここで「ゆ~る・じゃぱん」のまーさんとしては
ふと気になってしまうことが一つあります。
それは――
なぜ「おむすばず」とならず「おにぎらず」となったのか???
ということです。

スイマセン、これってどーでもいいことですよね(汗)
そして、日本語を母語とされる皆さまなら
「そんなの当たり前じゃん。『おむすばず』じゃ語呂が悪いでしょ。」
と即座に思われたのではないでしょうか。

さてそこなのです。
日本語を母語とする人々にとって「おむすばず」は
何ともすわりの悪い言葉だと認識されるのではないかと思います。
ではどうして大半の日本(語を母語とする)人は
自然と「おむすばず」ではなく「おにぎらず」という造語を選択するのでしょうか。

「むすぶ」の未然形「おむすば」+「ず」
「にぎる」の未然形「おにぎら」+「ず」
二つの言葉に文法上の目立った特徴
(我々が「おにぎらず」を選択するための決定的な要因)
は特に見当たりません。

では言葉の意味の上ではどうか。
まーさん御用達の『新明解国語辞典』を引いてみますと
「おにぎり」=「握り飯」の女性語
「おむすび」=「むすび〔=にぎりめし〕」の丁寧語
とありまして、ここにも特に我々が「おむすばず」を選択しない
積極的な理由は見当たりません。

文法上・意味上の明確な選択理由がないとすると
つまりはこれは、我々の「語感(言葉に対する聴覚的感覚)」に関する
漠然とした共通認識が
いつのまにやら日本(語を母語とする)人の間で出来上がっている、
としか言いようがないということになります。

う~む、面白いです^^
「おむすばず」って何となくヘン。「おにぎらず」ならしっくりくる。
誰もがこう思う(であろう)感覚ってどこから来るのでしょう??
もしかしたらまーさんが知らないだけで、
言語学的にこの辺りのことを説明できる理論があるのかもしれませんが(^^ゞ
こうした新たな造語についてじっくり考えてみると、
思いがけず「言葉の不思議」「言葉を操る人間の不思議」
「そもそも言葉とは何ぞや」
みたいな問題が浮上してきて、
何となくワタクシはその面白さにワクワクしてしまいます^^





という訳で、最後に日本古来の伝統的おにぎりをば。

IMG_1822_convert_20150622143519.jpg

息子の朝ごはん。五食おにぎりです。
赤かぶ・野沢菜・青じそ・しば漬け・大根・わかめ・人参
が入ってとても華やか🌸

”おにぎらず”もすごくステキで大好きですが、
やっぱりこうした昔ながらのおにぎりも捨てがたい、
とまーさんは改めて思う次第であります。




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梅の実の季節

IMG_0629_convert_20150618070659.jpg


約2か月ぶりの更新となります――

皆さまいかがお過ごしでしょうか?

もしかして安否を気遣ってくれた方々・・・
スミマセン・・・
まーさんは無事です。大丈夫です。
色々ありましたが(@_@)
(いや今も色々てんてこ舞いですが(汗))
頑張って生きております!!




今日も梅雨らしい湿度の高い一日ですね。
本日からは七十二候でいうところの
「梅子黄(うめのみきなり)」
梅の実が色づき始めるころ、との意味だそうです。
(二十四節気七十二候カレンダーより)




そういえば今年は梅シロップ
作らなかったなあ・・・

まーさん宅では砂糖と梅を漬けた梅シロップを
気が向いた年に(笑)作っているのですが
これがとても美味しくて
出来上がった側からいつもあっという間に
なくなってしまいます。
特に息子は遠慮なくガンガン飲んでしまうので、
その都度嬉しいような残念なような
複雑な気持ちに陥ります(^^ゞ

亡くなったワタクシの母は、
庭の梅で毎年梅干しを作っておりました。
皆さまご存じかとも思いますが
梅干し作りは中々に気の抜けない
作業の連続でして・・・
ワタクシは失敗を恐れ、
未だ挑戦したことがございません(苦笑)
いつか、いつかと思いつつ・・・

そうだ、
来年こそは(今年ではないのです・・笑)
思いきってトライしよう!
今決意いたしました(笑)
乞うご期待、でございますv




話は変わりますが。
先日、お祭りの金魚すくいでウチにお連れした
赤い金魚さん(キン子って呼んでいます)を
眺めていたら、ふとこんなことを思いました。

この金魚とこの自分が
今ここで同じ時を共有している不思議。
地球に生まれ、この時代この場所で
偶然にも出会った不思議――

一方で、ついさっき食事でいただいた
肉料理ーー
ワタクシの命を繋いだ動物の命。
ワタクシは生き、動物は死に、
今もこうしてワタクシは
その命をいただいて生き続けている。


いのちといのち、生と死の偶然の巡り会わせを
ふと感じた瞬間、何故だか
まーさんの両眼から涙がこぼれました。




生きるって何でしょう――
それはつまり、死ぬということなのでしょうね。




窓から入る湿った風の感触に
今こうして生きている自分を感じております。





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プロフィール

まーさん

Author:まーさん
息子と夫と私、考え方も行動もてんでバラバラな3人で暮らしています(笑)でも仲良しです。
音楽、映画、読書が好き。芸術鑑賞、外国語、旅行も好きです。ゆ~る・じゃぱんでは、日本大好きまーさんが暮らしのに漂う日本の香り・日本文化をゆる~く綴っていきます。

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