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「奈々子に」――そして芥川賞作家・又吉直樹さんのエピソード

昨日。
息子の塾のテキストを開くと
そこには
まーさんの敬愛する
吉野弘の詩がありました。

「奈々子に」という詩です。

若い頃、
この詩に強い衝撃を受けたこと
ふと思い出しました――




唐突だが
奈々子
お父さんは お前に
多くを期待しないだろう。
ひとが
ほかからの期待に応えようとして
どんなに
自分を駄目にしてしまうか
お父さんは はっきり
知ってしまったから。





子どもの頃
まーさんは周囲の期待に応えるべく
無意識のうちに頑張りを重ね、
結果として
自分を、本当に駄目にしてしまいました――

そんな“潰れた自分”に改めて気づかせてくれたのが
この「奈々子に」
だったのでした。




今は当時と異なり、
子を持つ親として
この詩が切実に胸に突き刺さります。

まーさんは
自分の息子に多くを期待しない自分でいたい。
過度な期待で彼を駄目にしてしまうことは
何としても避けたい。
切実にそう思っています。

しかし果たしてそれは、
本当に成し遂げられているのでしょうか。
知らず知らずのうちにワタクシは
自分の不必要な期待を
彼に押し付けていないでしょうか。

子どもはいつだって
大好きな親の期待に応えようと
お父さんお母さんを笑顔にしようと
必死に生きている。
だから、
子に対する親の過剰な期待は
けなげな彼らを疲弊させ、苦しめる――




お父さんが
お前にあげたいものは
健康と
自分を愛する心だ。

ひとが
ひとでなくなるのは
自分を愛することをやめるときだ。

自分を愛することをやめるとき
ひとは
他人を愛することをやめ
世界を見失ってしまう

自分があるとき
他人があり
世界がある。





そう、
ワタクシが息子にあげたいもの。
それは
≪自分を愛する心≫
それだけ――

なのに実際は、
自分の価値観に照らし
若干の期待を心の片隅に抱きつつ
それに見合わない彼の言動を
容赦なく頭から否定する
そんなことを繰り返しているのではなかろうか・・・




昨日
「奈々子に」を読み、
――この詩を読むときはいつものことですが
涙が、すっとこぼれました。




お父さんにも
お母さんにも
酸っぱい苦労がふえた。
苦労は
今は
お前にあげられない。

お前にあげたいものは
香りのよい健康と
かちとるにむづかしく
はぐくむにむづかしい
自分を愛する心だ。





≪自分を愛する心≫――
本当に、
かちとるにむづかしく
はぐくむにむづかしい
と痛感します。

しかし人間にとって本当に必要なものは、
もうこの
≪自分を愛する心≫
これだけしかない、と
今も昔も強く思うのです。




話は飛躍しますが
先日16日、芥川賞・直木賞受賞の発表があり
お笑い芸人の又吉直樹さんが
処女作『火花』で
芥川賞を受賞されたことが報じられました。

昨日の読売新聞一面のコラムは、
朝刊・夕刊とも
この又吉さんに触れての内容でした。

夕刊「よみうり寸評」では
生まれつき肺の弱かった又吉さんが
小学生の時にサッカーを始め、
体力・技術とも
他の子にひどく劣っていたにもかかわらず、
毎日一人夜遅くまで練習し続けた結果、
何年か後、強豪チームの選手として
高校総体に出場した
というエピソードが紹介されていました。

芥川賞受賞作『火花』も
執筆はいつも仕事を終えた後だったそうで、
受賞後のインタビューでも、彼は
「芸人は100でやって、
それ以外の時間に書く姿勢を崩さないようにしたい」
と語ったそうです。

又吉さんにとって
サッカー・お笑い・執筆は、
きっとどれも
やむに已まれぬ自己の衝動から起こった活動であり
それについてのたゆまぬ努力は
彼にとって苦行ではなく
むしろ快楽や自己解放につながっている、
そんな印象を受けました。




しからば。
人間にとって「何かをなしとげる」「夢を持つ」行為、
例えば又吉さんのように
サッカー・お笑い・執筆に邁進する行為とは
一体何を意味するのでしょうか。

ここで先の
≪自分を愛する心≫の話に繋がって来るのですが、
自分を愛するためには
自分を大切に思い
自分の心に従って生き
自分を楽しませ
自分の喜びを大事にし
自分の全てを受け入れる――

そんなことが絶対不可欠でありましょう。

しかしながら世間一般において
「何かをなしとげる」「夢を持つ」
という言葉が使われる時、
そこには本来
夢の成就に付随しているはずの
≪自分を愛する心≫
例えば“純粋に自分を楽しませる”
といった感覚はあまり存在せず、むしろ
“苦しみを伴うような苦い”感覚が
背後に張り付いているように感じてしまうのは、
ワタクシだけでしょうか・・・?

つまり、又吉さんのように
何かやむに已まれぬ衝動に突き動かされて
必然の結果として努力をし続ける――
これは確かに
≪自分を愛する心≫
に深いところで通じるように思います。

が、よく大人が子どもに要求しがちな
「何かをなしとげなさい」「夢を持ちなさい」
というお定まりの題目には、
何というか
それとは違う苦行的なものが潜んでいるように
思われてならないのです。

この時大人が言う「夢の成就」とは
つまり「立身出世」的な意味も含んでいるのであって、
これを陰に陽に子ども達に刷り込み、期待をかけることは、
まさしく
ひとが
ほかからの期待に応えようとして
自分を駄目にしてしまう

ことそのものではないかと、思うのです。




そしてこうした事例は、
何も子ども達に限ったことではありません。
我々大人もどうかすると
「夢を持たねば」「何かをなしとげねば」
という焦燥感を抱くことがあるのでは、
というのがワタクシの考えです。

それは当然のことながら、
幼少時からの刷り込み、つまり
「生まれたからには夢を成就させ、立身出世すべき」
といった暗黙の価値観が作用していると思います。

「大きな夢を持っていないこと」
「立身出世できていないこと」が
まるで自分の駄目さ加減の証拠でもあるかのように、
自己否定し続ける大人たち。

実はまーさんもこの考えの中に、
未だ片足を突っ込んでいる感は否めません。
情けないことですが・・・

結論から言えば、
「そんな≪自分を愛する心≫から程遠い感情は
一刻も早く捨て去るべき」
であり、
これからを生きる子どもたちにも
「≪自分を愛する心≫から乖離した夢など
もつ必要はない」
と強く言いたいです。

「夢」とは自分が楽しくなるためのツール。
それが人によっては
「サッカー選手になりたい!」
かもしれないし、あるいは
「美味しいスイーツを心ゆくまで食べ歩きたい!」
かもしれません。

後者は明らかに
「立身出世」の概念からはかけ離れていますが、
そんなことはどうでもよろしい!!

ようは自分の心に素直に向き合い、
やりたいことは何か。
自分はどう生きたいか。
そのためには何をどう行動したらよいか。

これをひたすら考え(あるいは思いついたらすぐ)
実行に移すことが肝要ではないかと
まーさんは思うのです。




こう書いてくると皆さま、
もうお気づきかと思いますが
まーさんは常に
「自分が何をしたいのか」
「自分には成し遂げたい夢があるのか」
と考えあぐね、
時として行き場のない
もやもやした焦燥感に駆られているのです・・・

本当に修行不足の自分を露呈するようで
お恥ずかしいかぎりですが・・・

ですからワタクシ、常に刹那を意識し、
何事にもとらわれず、
今一瞬の己の感情に従い行動することを
一つの行動指針にしているのでありますが、
やはりこう、何か物足りない。
まだ「やりきってる感」が無いと申しましょうか・・・

多分、作家の宇野千代さんのように
「思い立ったらもう体が動いちゃってるのよ~~」
って、後先考えず行動していたら
そんな焦燥感にさいなまれることも
無いのかもしれません。

やはり
「家族がいるから」とか
「先立つものが・・・」とか
「常識的に見て」とか
さまざまな呪縛によって真の解放には至っていない、
というのが本当のところかもしれません。




皆さまはいかがでしょうか・・・

人生は一度きり。
残りの人生、
どう生きてどう死ぬか――
まーさんにとってこれが
目下の最重要課題となっているのであります。


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もう駄目にゃん・・・暑いにゃん・・・
アタシの好きにさせてちょうだい・・・





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夏の食卓

季節を感じる食卓が好きです。

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家族が大好きなトウモロコシ・・・
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だし昆布と塩で――トウモロコシごはんになりました。







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茄子と大葉の煮びたし。甘辛く煮つけます。
よく冷やしていただきます。


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こちらは小松菜と厚揚げの煮びたし。薄めのだし汁でさっと煮ます。
小松菜は一年を通じて手に入る野菜。
夏の食材ではありませんが、この季節は冷やして食べます。
冬は温かいままいただきます。








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自家製ぬか漬け。夏はキュウリと茄子ですね。
余った野菜は何でも漬けてしまいます(笑)







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ワカメとキュウリの酢味噌和え
キュウリは塩もみせず生のまま。ぱりぱりした食感が楽しめます。








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先日友人からいただいたモロッコいんげん。
お義父さまが家庭菜園で作られたとのこと。
おすそ分けです。これはその日のうちに・・・

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豚肉とモロッコいんげんの肉じゃが風。
ダシダとゴマ油を使ってちょっと韓国チックな味付けです。
モロッコいんげん、甘くてとても美味!!
無農薬で育てているので手入れがとても大変、とのこと。
やっぱり手間ひまかけて作られた野菜は一味違います。







今日は夏らしい良い天気ですね(^^)/

しばらくはこんな風に、夏の食材を楽しんでみたいと思います――




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百合と蛙――雨の日に思うこと――

昨日は、七十二候でいうところの
「半夏生(はんげしょうず)」でした。
”カラズビシャク(半夏)が生え始める頃”
なのだそうです。
(二十四節気・七十二候カレンダーより)

「半夏生」の文字を見ると、
まーさんは夏の訪れを感じます――




        ◇





ところで。

毎日雨の日が続いておりますが、皆さま
「雨」と聞いて連想するものはいったい何でしょう?

曇天、紫陽花、傘、かたつむり・・・
いろいろあるかとは思います。が、
まーさんの脳裏に真っ先に浮かぶのは、
ちょっと変わっております。

「百合の香り」です。

これは、
夏目漱石の『それから』を読んで以来のこと。
この辺りのことについて書いた過去記事を、久々に思い出しましたので
懐かしさと共にちょっと抜粋してみたいと思います。

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**********************************






雨の日の百合が好きです。
細く冷たい香りが、スウッと部屋を漂います。



日本を代表する作家・夏目漱石の『それから』。
“雨の日の百合”で思い出す本です。
代助と三千代の悲劇的な恋愛。二人を繋ぐ象徴としての百合の花――

ぼんやりと惹かれあいながらも結ばれなかった二人。
人妻となった三千代は数年後、百合の花を持って代助の元を訪れます。
(百合はかつて、代助が彼女とその兄の家に持参した思い出の花です。)
雨模様の中、立ちのぼる百合の強い香。それに耐え切れなくなる代助。
彼はこの花を、鈴蘭の入った大鉢に無造作に生けます。
三千代の中に残る代助への思い。代助が改めて認識した三千代への思い。
二人の心の微妙なズレは、百合に対する二人の認識の違いに現れています。

終盤、ついに代助が「僕の存在には貴方が必要だ」と三千代に話す場面。
彼は、雨の中買い求めた百合を部屋中に生け、三千代を呼び寄せます。
「兄さんと貴方と清水町にいた時分の事を思い出そうと思って、
なるべく沢山買ってきました。」
三千代に全てを打ち明けた晩、代助は百合を自分の立つ夜の庭に撒き散らします。




百合が好きなまーさんは、いつもリビングにこの花を活けています。
特に今は、雨の匂いと共に百合の香りが際立ちます。
そして、漱石の『それから』を必ず思い出します。






*********************************






今日も我が家のリビングには百合の花が活けられています。
――上の写真がそうです――
近くを通るたびに、
また窓からの風が部屋を通り抜けるたびに
甘く鋭い香りが鼻をかすめます。

雨と百合――
やはりワタクシにとっては、切り離すことのできない
不思議に心惹かれる取り合わせなのです。




        ◇




そして。
雨という言葉からまーさんが連想するもの、もう一つ。
「蛙」です^^

子供のころ、梅雨時の田んぼからは
蛙の鳴き声が盛大に聞こえてきました。

降り始めた雨に、一斉に鳴き始める蛙たち。
そして道路を横切る可愛らしい雨蛙の姿に
心躍らせた記憶が今もよみがえります。

まーさんは蛙がとても好き。
本物を触るのには若干の抵抗があるものの(汗)
あの何とも言えない愛嬌に惹かれて
蛙グッズ、ついたくさん買ってしまいます(笑)

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他にもいっぱいあるのです(*'▽')

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ちょっとピンぼけですが・・・
こちらは本物の蛙、
ウチの蛙くんです(まだシッポがついている頃の写真)

オタマジャクシから育てた子が、とうとう蛙に変身!!

昨日、川辺の草むらに放してきました。
元気に暮らすんだよ~~(T_T)/~~~





        ◇




午後小降りになっていた雨が
今また大粒の雨に変わってまいりました。

水の匂い、仄暗い静けさ・・・
梅雨の季節ならではの風情を
今しばらく味わいたいと思います。





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プロフィール

まーさん

Author:まーさん
息子と夫と私、考え方も行動もてんでバラバラな3人で暮らしています(笑)でも仲良しです。
音楽、映画、読書が好き。芸術鑑賞、外国語、旅行も好きです。ゆ~る・じゃぱんでは、日本大好きまーさんが暮らしのに漂う日本の香り・日本文化をゆる~く綴っていきます。

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