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まーさん超訳『竹取物語』~石上の中納言と燕の子安貝②~

以前にも書きましたが、まーさんは手書きの日記帳として、糸井重里氏プロデュースの「ほぼ日手帳cousin」を愛用しております。

A5サイズで1day1page。ここに日記はもちろん、その日の新聞の切り抜きや映画の半券、旅行先のパンフレットなどもスクラップでき、非常に便利です。また、月間スケジュール・週刊スケジュール欄も付いているので、予定や記録、ありとあらゆる必要事項をこの一冊にまとめられ、非常に使い勝手の良い手帳となっております。

この手帳、とても面白いのは1day1pageの下段に「ほぼ日イトイ新聞」に掲載された「日々の言葉」が印刷されていることです。多くの著名人の本からの抜粋や糸井氏の言葉が、短く載せられています。
何か、ハッとするようなヒントが、そこには詰まっています。だけでなく、思わず笑ってしまうような言葉も・・・


今日2月20日の欄には、次のような言葉が載せられていました。

自分が万全で、万全で挑んで、やることをすべてやっても、勝てなかった。
そのときに、「悔いはない」と思えるときもあるし、
「だからこそ悔いが残る」と言う場合もあります。
万全で挑んで負けて納得できるときと、
万全だったからこそ納得いかない、っていう場合と両方ありますね。
―――クルム伊達公子さんが『明るくて、負けずぎらい』の中で


ソチオリンピックが開催されている今、非常にタイムリーに感じられたこの言葉。
各国の選手達も、もしかしたらこんな気持ちを持ちつつ競技に臨んでいるのかなあ、と思いを馳せたりいたしました。


また、思わず吹き出してしまったのでご紹介。2月17日の言葉です。

弟が5歳の頃の話です。
押し入れで遊んでいた弟が、突如、
「おかあさん、うちってドロボウなの?!」
と、客用布団を包んでいた
唐草模様の大風呂敷を見つけ、泣きながら聞いてきました。
―――『ほぼ日&こども』より




              ◇



まーさん超訳『竹取物語』~石上の中納言と燕の子安貝②~


《あらすじ》
日が暮れたので、中納言は例の大炊寮に来てご覧になると、本当に燕が巣を作っている。くらつまろの申し上げるように、燕は尾を上げて回っているので、荒籠に家来を乗せ、吊り上げて燕の巣に手を差し入れさせて探らせると、家来は、
「何もありません」
と申し上げる。中納言は、
「探し方が悪いのだ!」
と言って腹を立て、
「わし以外の者では、子安貝を探り当てることはできまい!」
と言い、
「わしが上って探ろう。」
と自ら荒籠に乗り、それを吊り上げさせ巣を覗いてみる。すると、燕は尾を下げてぐるぐると巡っている。中納言が間髪を入れず手を差し入れ探ってみると、手に平たいものが触った――

「わしは何かを握ったぞ!今すぐ下ろせ!翁よ、やったぞ!」
と言うので、家来達はざっと集まり籠を早く下ろそうとした。しかし勢い余って綱を引きすぎ、その途端、中納言は竈の八神の鼎(かなえ)の上に、あおむけに落ちてしまった。周りにいた人々は仰天し、中納言の元へ駆け寄って抱きかかえるが、眼は白目になって突っ伏している。家来達が水をすくって口に入れると、やっとのことで息を吹き返した。そこで鼎の上から手とり足とり、中納言を下ろす。




「ご気分はいかがですか。」

と家来が聞くと、

中納言は荒い息のもと、やっとのことで、

「物は少し分かるが、腰が動かない――

しかし子安貝をさっと握って持って来たので、

こんなに嬉しいことはない――

まずは紙燭(しそく)をつけて持って来い。

子安貝を拝むとしよう。」

と頭をもたげて、握った手を広げてみると――

何とそれは燕が巣に残した古糞(ふるくそ)を

握っていらっしゃったのだった。

中納言がこれをご覧になって、

「ああ、貝のないことだ。」

とおっしゃったことから、

思いと異なることを「かいなし」と

言うようになったとか。


中納言は、ご覧になったものが貝ではなかったことで、

ご気分がひどく悪くなり、

折れた御腰は、唐櫃(からびつ)の

ぴったり重ならない蓋のように、

うまくつながらないのであった。


中納言は、子供っぽい所業で

求婚が失敗に終わったことを人々に聞かせまい

としたが、そのことでますます気を病み、

たいそう体が弱くおなりになってしまった。

貝を取ることが出来なかったことよりも、

人々がそれを聞いて笑うだろうことを

日が経つにつれて思い煩い、

ただ病気で死んでしまうよりも、

外聞が悪く恥ずかしいとお感じになるのだった。


これをかぐや姫が聞いて、お見舞いにおくる歌、



年を経て波立ちよらぬ住の江のまつかひなしと聞くはまことか

≪波の寄せてこない海岸というわけではありませんが、

何年もの間こちらにお立ち寄りにもなりませんね。

貝が見つからなかったとのことで、

わたくしもあなたを待つ甲斐はないとお聞きしましたが、

それは本当でしょうか。≫

とあるのを、お側に仕える者が読んで聞かせる。

中納言はたいそう弱った心ではあったが、

頭をもたげて、お側の者に紙を持たせ、

苦しい心地の中でやっとのことで返事をお書きになる。



かひはかくありけるものをわびはてて死ぬる命をすくいやはせぬ

≪貝はなかったけれども、あなたからの歌をいただいて

努力した甲斐はありました。

しかし「匙(かい)」ですくうように、

すっかり気力を失って死んでいくわたくしの命を、

すくっては下さらないのですか。≫

と書き終わると同時に、中納言は息絶えてしまわれた。


これを聞いてかぐや姫は、少し気の毒にお思いになった。

その一件以来、少し嬉しいことを

「かいあり」と言うようになったとか。






次回に続きます。




参考文献
*『日本古典文学全集8 竹取物語 伊勢物語 大和物語 平中物語』(小学館)
*『岩波古語辞典』(大野晋 佐竹昭広 前田金五郎 編)



”氷の美女”かぐや姫も、さすがに同情・・・?
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オリンピックって、五分みただけでもウルウルきちゃいます。なんか人生の縮図ですよね。

録画機能のない我が家は、大好きなフィギュアさえもまともに見れませんでしたが、写真だけでもその方がどんな演技をしたのか表情でわかるのが驚きです。

子供の勘違い発言ってかわいいですよね(o^^o)

Re: タイトルなし

凛様

おはようございます!

オリンピック、浅田真央ちゃんの演技は本当にすごかったですね☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆
涙が出てしまいました。
万全を期したからこそ悔いが残らない、あるいは悔いが残る、という揺らぎは、とてもよく分かる気がします。

唐草模様=ドロボウ、で泣いちゃったという勘違いは、なんだか可愛らしくて思わず笑ってしまいました^ ^

No title

万全で挑んで負けて納得できるときと、万全だったからこそ納得いかない、という両方の場合があるという、伊達公子さんの言葉は面白いですね。
今回の女子フィギアの演技でも、メダルが獲れたから満足できる場合と、メダルが獲れなくても満足できる場合とがあるんだなぁ、と改めて思いました。
メダルや勝敗というのは即物的ですが、真央ちゃんの演技にはとても精神的なものを感じて、胸を打たれました。
真央ちゃんの、あんなに嬉しそうな涙を見ただけでも、感激です。

ところで・・・うちの先祖は公家だったのですが、今回のお話のように、昔のお公家さんが、些細な事で気を病んで弱って死んでしまうという感じが、私は何だか妙に納得できる気がして・・・情けないんですよね(笑)

Re: No title

Ariane様

おはようございます。

浅田真央ちゃんの演技には、本当に涙が出てしまいました。
外からはうかがい知れない、スポーツ選手の自分との戦い。
そのすべての軌跡がにじみ出ているような、
美しく神々しい演技だったと思います。
伊達さんの言葉は、道を究めた人にだけ見えて来る境地なのかなあと、
ふと思いました。

ところで、Ariane様のご先祖様はお公家さんだったのですか!!
わあ~~!!
さもありなん、ですね。
Ariane様のにじみ出る高貴な雰囲気は、そういうところからも
来ていらっしゃるのですね。

昔の貴族が些細なことで気を病んで死に至ってしまうというのは、
ワタクシも何となく分かる気がします。
平安時代の貴族社会って、戦争のような肉体的な戦いは皆無でしたが、
精神的な戦い・駆け引きは、相当なものだったようですね。
「恥をかく」ということは、貴族にとっては命取り、
死に値する屈辱だったのでしょうねえ・・・汗


プロフィール

まーさん

Author:まーさん
息子と夫と私、考え方も行動もてんでバラバラな3人で暮らしています(笑)でも仲良しです。
音楽、映画、読書が好き。芸術鑑賞、外国語、旅行も好きです。ゆ~る・じゃぱんでは、日本大好きまーさんが暮らしのに漂う日本の香り・日本文化をゆる~く綴っていきます。

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