まーさん超訳『竹取物語』~かぐや姫帝の召しに応ぜず昇天す⑦~
昨日、遅ればせながら、映画「LIFE」を観ました。
一言で感想を述べますと、
非常に“今日的なテーマ性”を感じる映画でした。
「思い切った人生を送りたいと思いながらも
そうしていない人を描いた、
一味違うストーリーを語りたいと思った。」と、
監督(兼主人公を演じる)ベン・スティラーは、
インタビューの中で述べています。
主人公が旅する
グリーンランド・アイスランド・アフガニスタン等の映像は、
人を寄せ付けない圧倒的な大自然に満ち溢れ、
観ているまーさんは、
それだけで胸がいっぱいになってしまいました。
シャーリー・マクレーン演じる母とウォルターとの、
さり気なくも深い家族愛。
ショーン・ペン演じる孤高のカメラマンの、
クールかつユーモラスな生き様。
ウォルターが密かに思いを寄せる女性・シェリルの、
家族と恋と仕事を巡る心の揺れ。
どれも私達の人生の、どこかに共鳴するものを感じさせます。
本映画「LIFE」のキャッチコピーは、
「生きている間に、生まれ変わろう」です。
様々な意味で、地球全体が価値観の転換を迫られている今、
我々は既存の価値観を一度疑い、そこから抜け出す勇気を持ち、
新しい自分・新しい人間観を構築する時に来ていると言えましょう。
我々を縛るものは実は何もない、
ただ既存の価値観に縛られた自分がそこにいるだけなのだと、
この映画は語っています。
「僕にとって意味があるのは、何かを思い切ってやるということ。
今という瞬間をもっと楽しみたいから。」
監督ベン・スティラーの言葉は、
いま地球に生きる人々すべてに向けての、
強烈なメッセージのようにも捉えられます。
ショーン・ペン演じるカメラマンが、
ヒマラヤでファインダーを覗きながらつぶやく言葉が、
まーさんには非常に印象的でした。
「生きるとはそういうことかもしれない」と強く思いました。
一体どのような言葉か気になりましたら
(そしてまだ映画をご覧になっていませんでしたら)
ぜひ映画を観ていただきたいと思います^^
◇
まーさん超訳『竹取物語』
~かぐや姫帝の召しに応ぜず昇天す⑦~
《あらすじ》
八月十五日にほど近い月の晩、かぐや姫は部屋の外に出て座り、たいそうひどくお泣きになる。今はもう以前とは違い、人目もはばからずお泣きになる。これを見て親達も、
「いったい、どうしたのですか。」
と尋ね騒ぐ。かぐや姫は泣きながら言う。
「前々から申し上げようと思っておりましたが、もしそうすれば、必ずお二人のお気持ちが混乱なさるだろうと思って、今まで黙って過ごしてまいりました。けれども、いつまでもそうしているわけにはまいりません。本当のことを打ち明けます。わたくしは、この人間世界の者ではございません。月の都の人なのでございます。そうではありますが、前世の宿縁によって、この世界に参上したのです。しかし今、月に帰らねばならない時が来てしまいました。今月の十五日、あの元の国、月から人々が迎えに参上することになっています。これは避けることの出来ない定めです。どうしてもここを去らねばなりませんので、お二人がきっとお嘆きになるだろうと思うと悲しく、わたくしもまたこの春よりそのことを思い、ずっと嘆いていたのでございます。」
こう言って、姫がひどく泣くのを見て翁は、
「これは――何ということを仰るのですか!竹の中からわたくしが見つけたあなたは、最初は菜種ほどの大きさでいらっしゃいました。しかし今や、わたくしの身の丈と並ぶくらいまでにお育て申しました。その我が子を、誰が迎えに来るというのですか!どうしてそんなことが許せましょう。絶対に許せません!」
と言い、
「わたくしの方こそ死んでしまいたい。」
と言って泣き騒ぐ様子を見ると、姫の心はつぶれそうになる。
かぐや姫は言う。
「わたくしには、月の都に実の父母がおります。ほんのわずかの間といって、かの国からこちらに参上いたしましたが、このようにこの世界で、多くの年月を経てしまいました。月の国の父母のことは全く覚えておりません。ここで、こうして長い間、楽しい時を過ごさせていただき、こちらの暮らしにすっかり慣れ親しんでまいりました。ですから生まれ故郷に帰ると申しましても、少しも嬉しい気持ちがいたしません。悲しいばかりでございます。ですが、このことについては、わたくしの心のままにはならず、不本意ながら、お二人のもとを去らねばならないのです。」
こう言って姫は、翁や嫗と一緒になってひどく泣く。
使用人達も、長年慣れ親しんできたかぐや姫とお別れせねばならないことを思い、姫の気立てが高貴で可愛らしかったことをずっとご覧になってきたため、姫を恋しく思う気持ちがどうにも堪えがたく、湯水を飲むことも出来ないほど、翁・嫗と同じ心持ちで嘆き合うのだった。
別れは刻一刻と近づき・・・
次回に続きます。
参考文献
*『日本古典文学全集8 竹取物語 伊勢物語 大和物語 平中物語』(小学館)
*『岩波古語辞典』(大野晋 佐竹昭広 前田金五郎 編)
かぐや姫=「氷の美女」ではなかったの??
何が彼女を変えたのか・・・
↓(ノД`)・゜・。↓

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非常に“今日的なテーマ性”を感じる映画でした。
「思い切った人生を送りたいと思いながらも
そうしていない人を描いた、
一味違うストーリーを語りたいと思った。」と、
監督(兼主人公を演じる)ベン・スティラーは、
インタビューの中で述べています。
主人公が旅する
グリーンランド・アイスランド・アフガニスタン等の映像は、
人を寄せ付けない圧倒的な大自然に満ち溢れ、
観ているまーさんは、
それだけで胸がいっぱいになってしまいました。
シャーリー・マクレーン演じる母とウォルターとの、
さり気なくも深い家族愛。
ショーン・ペン演じる孤高のカメラマンの、
クールかつユーモラスな生き様。
ウォルターが密かに思いを寄せる女性・シェリルの、
家族と恋と仕事を巡る心の揺れ。
どれも私達の人生の、どこかに共鳴するものを感じさせます。
本映画「LIFE」のキャッチコピーは、
「生きている間に、生まれ変わろう」です。
様々な意味で、地球全体が価値観の転換を迫られている今、
我々は既存の価値観を一度疑い、そこから抜け出す勇気を持ち、
新しい自分・新しい人間観を構築する時に来ていると言えましょう。
我々を縛るものは実は何もない、
ただ既存の価値観に縛られた自分がそこにいるだけなのだと、
この映画は語っています。
「僕にとって意味があるのは、何かを思い切ってやるということ。
今という瞬間をもっと楽しみたいから。」
監督ベン・スティラーの言葉は、
いま地球に生きる人々すべてに向けての、
強烈なメッセージのようにも捉えられます。
ショーン・ペン演じるカメラマンが、
ヒマラヤでファインダーを覗きながらつぶやく言葉が、
まーさんには非常に印象的でした。
「生きるとはそういうことかもしれない」と強く思いました。
一体どのような言葉か気になりましたら
(そしてまだ映画をご覧になっていませんでしたら)
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まーさん超訳『竹取物語』
~かぐや姫帝の召しに応ぜず昇天す⑦~
《あらすじ》
八月十五日にほど近い月の晩、かぐや姫は部屋の外に出て座り、たいそうひどくお泣きになる。今はもう以前とは違い、人目もはばからずお泣きになる。これを見て親達も、
「いったい、どうしたのですか。」
と尋ね騒ぐ。かぐや姫は泣きながら言う。
「前々から申し上げようと思っておりましたが、もしそうすれば、必ずお二人のお気持ちが混乱なさるだろうと思って、今まで黙って過ごしてまいりました。けれども、いつまでもそうしているわけにはまいりません。本当のことを打ち明けます。わたくしは、この人間世界の者ではございません。月の都の人なのでございます。そうではありますが、前世の宿縁によって、この世界に参上したのです。しかし今、月に帰らねばならない時が来てしまいました。今月の十五日、あの元の国、月から人々が迎えに参上することになっています。これは避けることの出来ない定めです。どうしてもここを去らねばなりませんので、お二人がきっとお嘆きになるだろうと思うと悲しく、わたくしもまたこの春よりそのことを思い、ずっと嘆いていたのでございます。」
こう言って、姫がひどく泣くのを見て翁は、
「これは――何ということを仰るのですか!竹の中からわたくしが見つけたあなたは、最初は菜種ほどの大きさでいらっしゃいました。しかし今や、わたくしの身の丈と並ぶくらいまでにお育て申しました。その我が子を、誰が迎えに来るというのですか!どうしてそんなことが許せましょう。絶対に許せません!」
と言い、
「わたくしの方こそ死んでしまいたい。」
と言って泣き騒ぐ様子を見ると、姫の心はつぶれそうになる。
かぐや姫は言う。
「わたくしには、月の都に実の父母がおります。ほんのわずかの間といって、かの国からこちらに参上いたしましたが、このようにこの世界で、多くの年月を経てしまいました。月の国の父母のことは全く覚えておりません。ここで、こうして長い間、楽しい時を過ごさせていただき、こちらの暮らしにすっかり慣れ親しんでまいりました。ですから生まれ故郷に帰ると申しましても、少しも嬉しい気持ちがいたしません。悲しいばかりでございます。ですが、このことについては、わたくしの心のままにはならず、不本意ながら、お二人のもとを去らねばならないのです。」
こう言って姫は、翁や嫗と一緒になってひどく泣く。
使用人達も、長年慣れ親しんできたかぐや姫とお別れせねばならないことを思い、姫の気立てが高貴で可愛らしかったことをずっとご覧になってきたため、姫を恋しく思う気持ちがどうにも堪えがたく、湯水を飲むことも出来ないほど、翁・嫗と同じ心持ちで嘆き合うのだった。
別れは刻一刻と近づき・・・
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参考文献
*『日本古典文学全集8 竹取物語 伊勢物語 大和物語 平中物語』(小学館)
*『岩波古語辞典』(大野晋 佐竹昭広 前田金五郎 編)
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