まーさん超訳『竹取物語』~かぐや姫帝の召しに応ぜず昇天す⑨~
新緑が美しい季節となりました。
街で見かける花も、
頬にあたる風も
美しく爽やかで、
何とはなく心躍る初夏の風情を
日々満喫しております。
息子の個人面談に向かう途中、出会ったバラ?たち。
思わず立ち止まってしまう美しさ・・・



息子と散歩中の河原にて。野バラ・・・?
この後2人で、シロツメクサの冠を作りました^^

空手道場の楠。黄緑の新芽が、爽やかな芳香を放っています。
いつも何かを語りかけてくるような、不思議な雰囲気を感じます。

◇
まーさん超訳『竹取物語』
~かぐや姫帝の召しに応ぜず昇天す⑨~
《あらすじ》
この(家来と翁の)やり取りを聞いて、かぐや姫は言う。
「わたくしを塗籠に閉じ込め、守り戦う準備をしたとしても、かの月の国の人とは戦うことができません。弓矢をもってしても射ることはできないでしょう。このようにしっかりとわたくしを閉じ込めていても、あの国の人が来たらば、扉は皆開いてしまうでしょう。応戦しようとしても、あの国の人の前では、勇猛な者もその心を発揮することは出来ますまい。」
翁は言う。
「お迎えに来た人の眼を、長い爪でつかみつぶしてやろう。逆立った髪をつかんで、空からひきずり落としてやる。そやつの尻をひんむいて、ここにいる朝廷人たちに見せ恥をかかせてやれ。」
と腹を立て座っている。
かぐや姫は言う。
「そんな声高におっしゃいますな。建物の上にいる人々が聞いたら、たいそう聞き苦しいことです。
お二人がこれまでわたくしにかけて下さった、沢山の愛情をわきまえることなく、ここを去らねばならないことが心から残念でございます・・・『この世に長くご一緒する』という前世からの宿縁がなかったため、短い間で去らねばならないのだろうと思い、本当に悲しいことでございます。ご両親様へのお世話を少しもいたさぬまま去ってゆく道中は、心安らかではいられませんでしょうから、ここ数日の間も、部屋の外に出て『今年だけは月に帰るまでの猶予を下さい』と月の王に申し上げましたが、全く許されないので、このように思い嘆いているのでございます。お二人の御心を乱すばかりでここを去ってしまうことが、悲しく堪えがたく思うのです。
あの月の都の人は、たいへん高貴で美しく、年を取ることもありません。思い悩むこともないのです。そのような所へ帰りますことも、今のわたくしには嬉しくも何ともありません。お二人の老い衰えるご様子を見つつお世話申し上げることが出来ないことこそ、心が引きちぎられる思いです。」
姫がこのように言うと翁は、
「胸の痛くなるようなことを仰らないで下さい!端麗な姿をした使いが来ても、何の支障もないのですから!」
と憎み、いまいましく思っている。
次回、いよいよ月の都の使いがやって来ます。
かぐや姫は一体どうするのでしょうか――
参考文献
*『日本古典文学全集8 竹取物語 伊勢物語 大和物語 平中物語』(小学館)
*『岩波古語辞典』(大野晋 佐竹昭広 前田金五郎 編)
「老いおとろへたまへるさまを
見たてまつらざらむこそ恋しからめ」
胸に迫ります・・・
↓(;´Д`)↓

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思わず立ち止まってしまう美しさ・・・



息子と散歩中の河原にて。野バラ・・・?
この後2人で、シロツメクサの冠を作りました^^

空手道場の楠。黄緑の新芽が、爽やかな芳香を放っています。
いつも何かを語りかけてくるような、不思議な雰囲気を感じます。

◇
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~かぐや姫帝の召しに応ぜず昇天す⑨~
《あらすじ》
この(家来と翁の)やり取りを聞いて、かぐや姫は言う。
「わたくしを塗籠に閉じ込め、守り戦う準備をしたとしても、かの月の国の人とは戦うことができません。弓矢をもってしても射ることはできないでしょう。このようにしっかりとわたくしを閉じ込めていても、あの国の人が来たらば、扉は皆開いてしまうでしょう。応戦しようとしても、あの国の人の前では、勇猛な者もその心を発揮することは出来ますまい。」
翁は言う。
「お迎えに来た人の眼を、長い爪でつかみつぶしてやろう。逆立った髪をつかんで、空からひきずり落としてやる。そやつの尻をひんむいて、ここにいる朝廷人たちに見せ恥をかかせてやれ。」
と腹を立て座っている。
かぐや姫は言う。
「そんな声高におっしゃいますな。建物の上にいる人々が聞いたら、たいそう聞き苦しいことです。
お二人がこれまでわたくしにかけて下さった、沢山の愛情をわきまえることなく、ここを去らねばならないことが心から残念でございます・・・『この世に長くご一緒する』という前世からの宿縁がなかったため、短い間で去らねばならないのだろうと思い、本当に悲しいことでございます。ご両親様へのお世話を少しもいたさぬまま去ってゆく道中は、心安らかではいられませんでしょうから、ここ数日の間も、部屋の外に出て『今年だけは月に帰るまでの猶予を下さい』と月の王に申し上げましたが、全く許されないので、このように思い嘆いているのでございます。お二人の御心を乱すばかりでここを去ってしまうことが、悲しく堪えがたく思うのです。
あの月の都の人は、たいへん高貴で美しく、年を取ることもありません。思い悩むこともないのです。そのような所へ帰りますことも、今のわたくしには嬉しくも何ともありません。お二人の老い衰えるご様子を見つつお世話申し上げることが出来ないことこそ、心が引きちぎられる思いです。」
姫がこのように言うと翁は、
「胸の痛くなるようなことを仰らないで下さい!端麗な姿をした使いが来ても、何の支障もないのですから!」
と憎み、いまいましく思っている。
次回、いよいよ月の都の使いがやって来ます。
かぐや姫は一体どうするのでしょうか――
参考文献
*『日本古典文学全集8 竹取物語 伊勢物語 大和物語 平中物語』(小学館)
*『岩波古語辞典』(大野晋 佐竹昭広 前田金五郎 編)
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