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『鳩の撃退法 上下』~不可思議なメタフィクションミステリー~

本の衝動買い――
まーさんの悪癖の一つです(苦笑)






外出先で本屋を見つけると、それこそ各フロアを隅々まで探索し、面白そうな本に出くわせば、もうそれを家まで連れて帰りたくて我慢が出来なくなる――


ですから近頃では、
「買いたいと思った本は、少なくとも3回以上別々の本屋でななめ読みし、それでもどうしても欲しい・じっくり読みたい・買って手元に置きたい、と思った時のみ購入する。」
という、自分だけの“特別ルール”を心の中に設けました。
もちろんそれ以来、このルールをしっかりと遵守し、実行に移しています(笑)






しかし先日。
ついにそのルールを破ってしまいました。
表紙を1回見ただけでの「衝動買い」です。
ななめ読みすらしていません。
何故そんなことになったか。
それは・・・
本の帯にあった推薦文を読んで、どうしても買いたくなってしまったからです。


その帯の文句とはこうです。
『この作者の新作を、ずっとじっと、ひたすら待っていました。待っていたその時間も、一瞬で読む快楽に変わります――角田光代さん(作家)』
『ノックアウトされました。この妙味、このバランス!巻擱くを能わずとはまさにこのこと。おもしろかったー。――江國香織さん(作家)』


まーさんの大好きなお二人の作家、角田氏・江國氏が絶賛しているこの本は一体何なのだ?!


そう思ったら、どうしても・今すぐに、読んでみたくてたまらなくなり、「3回以上ななめ読みルール」をあっさりと捨て、本を持ってレジに並んだのでした(^^ゞ


その本とはこちら。
鳩の撃退法 上鳩の撃退法 上
(2014/11/13)
佐藤 正午

商品詳細を見る


鳩の撃退法 下鳩の撃退法 下
(2014/11/13)
佐藤 正午

商品詳細を見る


佐藤正午氏、5年ぶりの長編小説となる本書は、ファンにとってはまさに“待望の”新作だったようです。まーさん実は、今回初めて佐藤氏の小説を読んだのですが、「久々に読後の余韻が残るミステリーに出会った」という感想を持ちました。





               ◇  





映画、芝居、小説、何でもそうですが、いわゆる“フィクション”には、日常生活を侵食するほどのパワーを持った作品があります。


映画や芝居は、まとまった時間的拘束が必要となる”フィクション”でありますが、小説は、仕事や家事の合間に少しずつ読み進めることが可能な”フィクション”であります。これは一つのメリットと言ってもいいでしょう。


しかし、それゆえに、その小説世界があまりにも密度の濃いものであった場合、日常生活に戻る際、夢から現実への激しい揺れを感じ、その二つの世界のギャップを埋めるために暫し時間を要する、といったことを繰り返し体験しなければならないデメリットも持ち合わせています。まさにこの『鳩の撃退法 上下』は、そういった類の小説です。





本書はあえてジャンル分けするとすれば、ミステリーにカテゴライズできると思うのですが、内容的には、作家である主人公・津田伸一が、自身の遭遇した事件を小説に書き起こすという、メタフィクションとなっています。つまり、「『鳩の撃退法』という小説内で起きる〈現実〉の事件」と「主人公・津田の描く〈フィクションとして〉の事件」が絡まり合って、とにかく一筋縄ではいかない、複雑極まりないプロットを持っております。その、先の見えない揺れ動く不可思議な世界観に、読者は軽い酩酊すら覚える、といったところでしょうか。






実際、この小説をちょこちょこと読みつつ、掃除や洗濯、買い物といった日常生活をこなすのは、どうにも難しい作業でした。自分の心が小説世界にガッチリとからめとられてしまい、日々のルーティンワークに戻るのが、非常に困難に思えてしまうのです。


ですから、できることならばこの本、まとまった時間を取り、集中して一気に読破してしまわれることを、皆さまにはお勧めしたいと思います。





               ◇





しかしまあ、著者の佐藤正午氏は、一体どのようにしてこの「時間と空間・小説内現実と小説内フィクション」が入り乱れる摩訶不思議な物語を書き上げたのでしょうか。


ミステリーとしての伏線をあちこちにちりばめつつ、メタフィクションとしての「小説の作法」的な解説をも主人公にさせ、なおかつ人間存在のそこはかとないユーモアと哀しみをも漂わせるという、何とも複雑怪奇な離れ業をやってのけた小説、それが『鳩の撃退法 上下』だと、まーさんは考えます。






とはいえ、本書はあくまでもミステリー。純文学系の作品ではありませんので、読まれる方は“読みごたえのあるエンターテイメント”として本書を手に取られると良いかと思います。「『鳩』とは一体何のメタファーか?」などと作品分析し始めると(いや、ついついやりたくなるのですが・・・汗)面白さも半減してしまうかもしれませんので、単純に「楽しむ」という目的で、お時間があればぜひこの『鳩の撃退法 上下』、読んでいただければと思います^^





皆さまおススメのミステリー作家・小説は?
ぜひ教えて下さい!!
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ミステリー

『鳩の撃退法』とは意外なタイトル。
これがどうしてそうなるのか知りたいなあ。
私も衝動買いが多いです。
読む者が無くなると、何か買いに行くって感じかな。
オススメは、短編のシリーズものですが、
都筑道夫さんの『退職刑事』が面白かったです。
ああ~、ホントはもっといろいろお勧めしたい~

Re: ミステリー

こみ様

おはようございます^^

『鳩の撃退法』という題名自体がミステリーですよね(笑)
小説内では「鳩」がシンボリックな形で何度か登場します。
なので、「鳩とは何のメタファーか?」とか
ついつい、考えたくなってしまいます(*'▽')

こみさんもやはり衝動買いですか!
読書家でいらっしゃいますものね。
ワタクシも常に手元に本がないと落ち着かないタイプです。

都筑道夫さんの『退職刑事』、教えていただきありがとうございます!!
コメント拝見して、またもや「3回ななめ読みルール」を破り、
即買いする気満々です(爆)

もっといろいろお勧めの本がおありなのですね!
ぜひぜひ教えて下さい~~\(^o^)/
もし可能でしたら、お忙しい中恐縮ですが、
コメント欄にて、
お勧め本教えていただければ幸いです!!!!

お久しぶりです

ここのところ自分のことだけでなく、娘の火傷やらなにやらで、集中する暇がありませんでした。
今日ようやく、少し落ち着いて人様のブログ記事の拝読の出来る余裕ができました。
相変わらず読みやすい熟れた文章ですね。何より安心して読めることが助かります。

鳩というと、わたしは最近のねずみ色の「どばと」をイメージしてしまいます。あれを見ると、すぐに退治してやりたくなるのですが。
真っ白な鳩を最近、あまり見かけませんが、いかがでしょうか?
小説には関係ない話ですが、、、。

題名に、インパクトのある本ですね。題名って大切です。
そう思いましたが、暫くは、何も読めそうもありません。
が、マークしておきます。

当方、拙ブログにもお暇なときにお越し下さい。
では。

Re: お久しぶりです

GOMA様

こんにちは。今日は大変な大雪になりましたね。
拙ブログにお越しいただき、ありがとうございます^^
ワタクシの文章を「読みやすい」といっていただいてホントに嬉しいです。
最近、自分の文章の至らなさに自信を無くしていたので・・・
ありがたいお言葉をいただけて、今日は一日晴れやかに過ごせそうです(笑)


お嬢さんの火傷は大丈夫ですか(涙)
大変でしたね・・・
自分のこともさることながら、子供の怪我や病気は
親にとって本当に辛いものです。
どうぞお大事になさってください・・・

鳩というとワタクシも思い浮かべるのはあの”灰色”の土鳩です。
以前TVで見たところによりますと、土鳩の大群がまき散らす糞は、
人間の呼吸器等に悪影響を及ぼすそうですね。
ワタクシ、動物はとても好きですが、その話を聞いてから
なんとなく鳩の大群の前では「息を止め」たりする癖がついてしまいました(笑)
真っ白な鳩って、イベントの時などしか見かけませんね。
個人的には”レース鳩”というものに、とても興味があります。

題名は小説の命、かもしれません。
『鳩の撃退法』という題名は、おっしゃるようにすごいインパクトです。
本屋に平積みされていると、エッ?と二度見してしまう感じです。

また貴ブログにもお邪魔させていただきます^^
楽しみにしております。

プロフィール

まーさん

Author:まーさん
息子と夫と私、考え方も行動もてんでバラバラな3人で暮らしています(笑)でも仲良しです。
音楽、映画、読書が好き。芸術鑑賞、外国語、旅行も好きです。ゆ~る・じゃぱんでは、日本大好きまーさんが暮らしのに漂う日本の香り・日本文化をゆる~く綴っていきます。

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