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涼風至る―会席料理の思い出―

『日本の七十二候を楽しむ―旧暦のある暮らし―』
(文 白井明大  絵 有賀一広 東邦出版)
という本があります。

日本の七十二候を楽しむ ―旧暦のある暮らし―日本の七十二候を楽しむ ―旧暦のある暮らし―
(2012/02/10)
白井 明大

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皆さまご存知の通り、日本では明治五年の改暦まで、旧暦(太陽暦と太陰暦を組み合わせた太陰太陽暦)が使われていました。

旧暦では、季節の分類がたいへん細かくなされています。
春夏秋冬はもちろんのこと、中国から伝わった二十四節気(夏至、立秋等)、更にはそれを三等分ずつにした、七十二候というものもありました。



七十二候。
面白いのは、候の名前が、季節の風物をそのまま文章にしているということです。

例えば。
今日8月9日を含む、8月7日から11日ごろは、「涼風至る」という名前がついています(涼しい風が始めた立つところに秋の訪れを見た、の意)。
ちなみにこの後は、「寒蝉(ひぐらし)鳴く」「蒙霧升降(のうむしょうこう)す」と続きます。これで立秋の候は終わりです。



いかがでしょう。
昔の日本人は七十二候の中に、旬の食や季節の行事、うつろう自然を読み込み、四季の変化を細やかに感じつつ暮らしてたのです。

新暦に生きる私たちは、この七十二候を目にすることがほとんどありません。――何だかとても、もったいない気がいたします。
現代の暦の多くに、この七十二候が書かれてあったなら、私たちは今以上に、日本の季節の移り変わりを、面白く大切にかみしめることが出来るのではないか、とふと思いました。

カレンダー作りに携わる方々、いかがでしょうか??
七十二候カレンダー、流行らせること出来ないでしょうか??
(って、このブログ読んでないか・・(苦笑))

それともまーさんが知らないだけで、巷では既に流行っているとか・・?(いや、去年ロフトで見たら、流行っていたのは「家族分予定書き込み欄付きカレンダー」でした。子供も大人も、仕事に習い事に大忙しで、みんなの予定が一覧になってると、便利なんでしょうね(*´з`))



ところで、先の本を眺めていると、「涼風至る」のところに“旬の草花”として「つゆくさ」が載っていました。
道ばたに咲く小さな青い花。花びらは柔らかく、触るとすぐにくしゃっとしてしまいます。

そういえば、この辺りでは見かけないなあ、子供の頃はよく摘んで遊んだなあ、亡くなった母が好きな花だったなあ・・・
と、思考はとりとめなく広がり・・・
思いは、亡母のことへと移りました。そして、
「久々に見てみよう」
と取り出したのが、母がまだ健在だったころ頼んで書いてもらった、
「その日の食事リスト」です(多分結婚したばかりの頃だったと思います)。

このノート、ただひたすら、母の作った日々の献立をメモしてもらったものなのですが(笑)これが意外と役に立つのです。

それまで一人暮らしだったまーさんが、結婚して2人分のちゃんとした?食事を作らなくてはならなくなり(苦笑)「今日の夕食何にしよう」と考えあぐねた時の、大いなるヒントになるわけです(^^ゞ

献立のみで、作り方は書いていないので、まーさんは実家で食べた味を思い出しながら、あーだこーだと作るわけです。

ちなみに今日8月9日の献立は、
*いか刺身
*コロッケ(母のはジャガイモ多めで美味しかった)
*コールスローサラダ
*冷やしトマト
*きゅうり一夜漬け

とあります。父が晩酌を欠かさなかったので、いつもそれに合わせたメニューでした。

そして明日8月10日は、
*会席料理 外食
とあります。

――ああ、この日は。まーさんのかつての職場近くの隠れた名店に、夫と父母と4人で食事に行ったんだっけ。
懐かしいなあ。あの店、遠いから中々行かれないけど、また行きたいなあ。みんな喜んでいたなあ・・・
材料に、とことんこだわって、鄙には珍しい本格的なお店なんだよなあ。

会席料理(懐石料理)のこと、このお店のことなどは、いずれまた思い出して書いてみたいです。



つくづく人間の思考とは、あちこちにたゆたって定まらないものですね。
この一瞬にもまーさんの頭は、現在・過去・未来の間を行ったり来たりして、せわしなく動いています。
「刹那を生きる・いまを生きる」って、
なかなかどうして、難しいものですね~~(*_*)


IMG_0013_convert_20130809165613.jpg
間引きした朝顔――水に挿しておいたら花が咲きました(驚)


参考文献:『日本の七十二候を楽しむ―旧暦のある暮らし―』
     (文 白井明大  絵 有賀一広  東邦出版)


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No title

七十二候…くるみ、文学部なこともあり、
こういうの大好きなんです!
その時その時の季節を大切にする文化、忘れずにいきたいです。

お母様の献立表、大切になさっているんですね。
こうやって想いは引き継がれていくのだなぁって、心がジンと温かくなりました。
そんなまーさんを、天国でお母様が微笑んで見守っていてくださるんだろうなと思いました。


こんばんは。
たびたびお邪魔させていただきます~

『七十二候カレンダー』
私も欲しいです。これがあれば、毎日が今以上に楽しめること間違いなしですね!
都会に住んでいるとしても、季節の移り変わりをもっと身近に感じることが出来そうです。

そして、お母様の綴った『その日の食事リスト』いいですね!

8月9日の献立。我が家に出てくるメニューと限りなく似ている…と勝手に思ったり、毎日晩酌をなさるお父様にひどく親近感を覚えたり…。

過去、現在、未来と、絶え間無く揺れる思い。

夏の夜に、静かに心に染みる、素晴らしい内容でありました。

そして最後のアサガオのお写真。
癒されました。

ありがとうございました~♪


Re: No title

くるみ様

くるみさんも文学部ですか~~!!
そうではないかなあ、と思っていました(^^)

ワタクシも文学部出身でございます(言わずもがなですね)
在学中、経済学部の先輩に「なんでそんな役に立たんこと勉強してんの?分からんわ(神戸出身)」
と言われましたが・・・
大切なのは、役に立つこと・目に見えるものだけではないですよね。
七十二候も「役に立つこと」ではないですが、日本人の根底にある「季節と共に生きる生き方」の体現だと思うのです。だから、大事にしたいですよね。

母の残してくれたノート、ワタクシにとってはとても貴重なものです。
字を見ると、母が生きていた軌跡を見るようで、何とも言えない気持ちになります。
料理好きだった母、天国でも色々な料理、作っているかもしれません(*^^*)

Re: タイトルなし

ダメパパ様

きゃ~~、褒めていただいてうれしいデス!
こちらこそ、ありがとうございます。

「七十二候カレンダー」あったらいいですよね!(^^)!
見かけたことがないんですが、存在するのかなあ??
工夫すれば、オシャレなものが出来上がるような気がするのですが・・・

母の献立・・・そうなんです、ダメパパさんのお宅とすご~く似ているのです(笑)
あ、だからダメパパさんのブログ、よそのお家とは思えない親近感がわくのですかね(爆)
我が父は、めっきり弱くなりましたが、今も晩酌欠かしません(^^ゞ
メニューは、トマト・きゅうり・豆腐・漬物、そしてまたトマト・きゅうり・豆腐・漬物…みたいな感じらしいです(*_*;昔の男性は、奥さんいなくなると、食事がたいへんですね・・・

あさがお、間引いた苗から、あんなにきれいな花が咲くとは・・・
ホントに驚きました!!

No title

>つくづく人間の思考とは、あちこちにたゆたって定まらないものですね。
>この一瞬にもまーさんの頭は、現在・過去・未来の間を行ったり来たりして、せわしなく動いています。


たゆたっている瞬間が、「いまだ」と、わかればいいんですよ。
そうすれば、自分が主体で記憶が従になりますから。

懐かしい思い出も、幸せを「いま」感じるひとつの方法でもありますし。

追記:「鄙」って、趣ある言葉ですね。そういえば、最近使わなくなったなぁと思いつつ。

Re: No title

まるまるまるた様

>たゆたっている瞬間が、「いまだ」と、わかればいいんですよ。
>そうすれば、自分が主体で記憶が従になりますから。

なるほどそうですね。

「意識の揺れそのもの」を自分の「今」として認知する。
すると、仏教でいうところの、
「過去や未来でなく、今この瞬間を意識することが、充足感につながる」
につながっていくでしょうか・・・

思考が定まらない自分を観照することは、修行不足の自分を見せつけられようでコワいですが・・・

勉強になりました。

こんばんは

まーさん様

日本の伝統、文化を大切に想う、素敵なことですね。そこからは先人達の英知が溢れ出てくることでしょう。

今の日本には、もしかすると欠かすことの出来ない大事なことかもしれません。

今一度、再考される「時」かもしれません。

日常の中での「想い」とのバランス感覚はまーさん様の魅力の一つですね。きっと恵まれた環境の中で「感性」を磨かれてこられたのでしょう。

一輪の花の構図も鮮やかです。

また拝見させて頂きます。


Re: こんばんは

ハゼドン様

コメントありがとうございました!!
ワタクシの拙い記事を、とても温かく肯定的にとらえて下さって、嬉しく思います(^^)

日本の伝統文化が再考される「時」。
まさにその通りだなあと感じました。

”クールジャパン”も悪くはないのですが、それ以前の
”かそけき日本の香り”も忘れずに掬い上げていきたいと思うのです。

素敵なカレンダー

素敵なカレンダーですね。とても欲しくなりました。
そしてお母様の献立カレンダーも。
それにしても皆さんたくさんちゃんと作られるのだなと反省。私は多くて三品f^_^;)

朝顔の美しさに心が洗われました。
日本の夏が恋しいです。
ありがとうございました!

朝顔が風流ですね。

季節を感じながら生活をすることって、とても素敵なことですよね。
気忙しく生活する中で、そういうことを忘れがちになっているなぁと思いました。
季節を感じ、その季節にあった食物を食し、その時宜にあった過ごし方をする、という先人たちの暮らしを思い出したいなと思いました。

一輪の朝顔、とても風流ですね。
最近の酷暑でやられ気味の心身にしみました。
ありがとうございます。

暑いさなか、体には気を付けてくださいね。

Re: 素敵なカレンダー

凛様

七十二候カレンダー、販売されているそうです!!(ダメパパ様情報)

ぜひ来年は、このカレンダーをあちこちで流行らせましょう(爆)

母の献立は「お酒を飲む人仕様」なので、比較的皿数が多いですよね。
ワタクシのウチは誰も晩酌しないので、料理はもっと貧弱です(汗)

朝顔は、ホントに日本の夏を感じさせますね~~
青や紫や、色鮮やかで印象的です!

Re: 朝顔が風流ですね。

ドナ夫様

食材を始めとして、季節を感じることが難しい世の中になってきましたが・・・。
出来るだけこの国の細やかな季節感を味わいつつ、暮らして行きたいなあ、と思います。

朝顔・・・涼感を誘うお花ですね。
日本の夏を感じさせます。

ドナ夫様、いつもお心遣いありがとうございます!
立秋を過ぎても連日の猛暑。
ドナ夫様も、どうぞご自愛くださいませ。
プロフィール

まーさん

Author:まーさん
息子と夫と私、考え方も行動もてんでバラバラな3人で暮らしています(笑)でも仲良しです。
音楽、映画、読書が好き。芸術鑑賞、外国語、旅行も好きです。ゆ~る・じゃぱんでは、日本大好きまーさんが暮らしのに漂う日本の香り・日本文化をゆる~く綴っていきます。

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