スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

まーさん超訳『平家物語~敦盛最期~』その一

「青葉の笛」――
これは祖母から母、母から私へと伝えられた、思い出の歌。

前回お話した通り、本歌は、
一番:『平家物語』巻第九「敦盛最期」
二番:『平家物語』巻第七「忠度都落ち」
を題材としています。



今日から数回にわたり、この「敦盛最期」「忠度都落ち」を、
“まーさん超訳”でお送りしたいと思います(^^)

本日は、「青葉の笛」一番、「敦盛最期」です!

・・・がその前に、少しだけ『平家物語』の解説をいたします(^^ゞ



『平家物語』は、平氏一門の栄華と滅亡をつづった物語です。

構成は、
巻一~巻六:平清盛の栄枯盛衰
巻六~巻九:平氏の急激な没落と、木曽義仲の顛末
巻九~巻十一:源平合戦と、平氏の滅亡
巻十二・灌頂巻:後日談

となっており、全体に通底するのは、
「無常観」
「因果応報」
「教訓的儒教倫理」
「欣求浄土」
「あはれ(無常感)」
の思想です。

これらが、時には勇壮な合戦描写と共に、時には美しい女性的な描写と共に
描かれていきます。
古代から中世への、時代の混沌を具現化したような文学、
それが『平家物語』なのです――。



さて、お待たせいたしました!
いよいよ「敦盛」のお話、参りたいと思います。





『平家物語』巻第九「敦盛最期」その一



<登場人物>
・平敦盛(たいらのあつもり)
  平清盛の甥。若いながら、笛の名手。

・熊谷次郎直実(くまがえのじろうなおざね)
  武蔵国熊谷郷の武将。もとは平家につかえていたが、
  のちに源頼朝の御家人となる。





 平家が一ノ谷の合戦で負けたので、熊谷次郎直実は、

「平家の公達は助け舟に乗ろうとして、波打ち際の

ほうへ逃げるだろう。ああ、身分の高い大将軍がいれば、

戦いたいものよ!」

と思い、海岸のほうへ馬を歩かせていた。


するとそこに――

練貫に鶴のぬい取りをした直垂に、萌黄匂いの

よろいを着て、鍬形を打ったかぶとの緒をしめ、

黄金づくりの太刀を腰に差し、切斑の矢を背負い、

滋藤の弓を持って、連銭葦毛の馬に金覆輪のくらを

置いて乗った武者が一騎、沖にいる船をめがけて、

海にざっと馬を乗り入れ、五、六段(一段は

約11メートル)ほど泳がせている。


熊谷が、

「そこにおられるのは、大将軍とお見受けいたす。

卑怯にも、敵に後ろをお見せになるのですな。

お戻りなさい。」

と、扇を上げて招くと、その武者は招かれて引き返す。

波打ち際にさっと上がろうとするところに、

熊谷は自分の馬を並べてむずと組むと、

武者はどしんと馬から落ちる。

取り押さえて首を斬ろうと、かぶとを無理矢理あげてみると、

それは年が十六、七ほどの者で、薄化粧をして、

歯を黒く染めている。自分の子の小次郎ほどの年で、

容貌が非常に美しかったので、刀を刺そうにも、どこに

刺したらよいか分からない・・・。


「そもそもあなたは、どういう人でいらっしゃるのか。

お名乗り下さい。お助け申しましょう。」

と申し上げると、

「お前は誰だ」

とお尋ねになる。そこで、

「大した者ではございませんが――武蔵の国の住人、

熊谷次郎直実」

と名乗り申した。

するとその武者は、

「ならば、お前に対しては名乗る必要もない。

お前ににとっては、この私はよい敵だぞ。

私が名乗らなくても、首を取って人に聞いてみるがよい。

みな私のことを見知っているだろうよ。」

とおっしゃった。






この若い武者こそが・・・。
熊谷次郎直実はこの後どうするのか。
次回に続きます。



*参考文献『日本古典文学全集29・30 平家物語』(小学館)


にほんブログ村 歴史ブログ 日本の伝統・文化へ
にほんブログ村

関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

「無常観」ですね。

まーさん様

“まーさん超訳”次回が楽しみです。女性ならではの表現、女性視点の男の戦い、どう表現されるのでしょうか。

「無常観」「因果応報」「教訓的儒教倫理」「欣求浄土」「あはれ(無常感)」の思想、これらはやはりまーさん様の思想にも大きく影響を与えている気が致します。

日本文学を深めると言うことは、即ち、自身のルーツを探ることに他なりません。
自分は「どこから来て」「どこへ向かうのだろう。」自分探しの旅ですね。
宗教的概念になるかもしれませんが、「出生の本懐」を見つけ出す手がかりに、文学は大きく貢献してくれる、ありがたい学問ですね。



Re: 「無常観」ですね。

ハゼドン様

超訳、読んでいただいてありがとうございます!
『平家物語』――様々な思想と語り口が入り混じる、混沌とした文学。そこに大きな魅力を感じます。

「日本文学を深めると言うことは、即ち、自身のルーツを探ることに他なりません」

まさにハゼドン様のおっしゃる通りですね。

「日本人としての自分の在り方」を探る――
これにワタクシは、ずっとこだわってきた気がします。

No title

すごく分かりやすいところが超約ですね…!
さすがです先輩!
あはれの精神を持つ日本人的なこの観念。
続きが気になって仕方のないところでの終わりかた。
続きがとっても楽しみです…!

Re: No title

くるみ様

続きが楽しみ、と言っていただけて、とても嬉しいデス!!

日本人の心に通底する「あはれ」の精神が、非常ににストレートな形で表現された「敦盛最期」。
「青葉の笛」だけでなく、能『敦盛』等、様々な姿に形を変えて、日本文化に浸透していますね。

ワタクシも超訳を楽しみながら、改めて「敦盛」を味わっていきたいと思います(*^^*)

敦盛、悲しいシーンですよね。

戦の世であったとはいえ、平家物語で繰り広げられる話は悲しい物語ですよね。
敦盛の一節は、その悲しさをさらに感じさせる一節だと思います。

入試以来、平家物語を目にする機会がなかったので、懐かしく思いました。
自分で古文を読む気力は無いので、まーさん様の訳にて、楽しませていただきたいと思います。(笑)
よろしくお願いします。

Re: 敦盛、悲しいシーンですよね。

ドナ夫様

『平家物語』読んでいただき、ありがとうございます!!
熊谷直実と平敦盛の、悲哀に満ちた物語。
現代の日本人にも、こうした哀感をしみじみと味わう気持ちを持ち続けて欲しいと思う次第であります。

「那須与一」「宇治川の決戦」「木曽の最期」など、教科書で取り上げられていた『平家物語』も、懐かしく思い出しますね。
プロフィール

まーさん

Author:まーさん
息子と夫と私、考え方も行動もてんでバラバラな3人で暮らしています(笑)でも仲良しです。
音楽、映画、読書が好き。芸術鑑賞、外国語、旅行も好きです。ゆ~る・じゃぱんでは、日本大好きまーさんが暮らしのに漂う日本の香り・日本文化をゆる~く綴っていきます。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。