スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

『風の又三郎』

9月1日(二百十日)になると思い出すのが、
宮沢賢治『風の又三郎』です。

しかし皆さま。
今日はもう5日で、日付は完全にズレています・・・(苦笑)

ではありますが――
近頃の台風並みの荒天に、
どうしてもこの童話が思い出されてならないので、
ここに書き綴ってみました。



『風の又三郎』は、
転校生・高田三郎の不思議な登場から始まります。

谷川の小さな小学校――
9月1日、始業式の教室には、
何故だか、都会風の見知らぬ少年・高田三郎が、
ぽつんと座っています。

田舎の子供達にとって突然現れた彼の存在は、
新学期の胸の高鳴りとあいまって、
期待と不安の象徴として認識されていきます。

そして、そんな心の決着点を、
子供達は次のように見い出すのです。
「あいつは、二百十日でやって来た風の精、
“風の又三郎”だ」と。



どっどど どどうど どどうど どどう
青いくるみも吹きとばせ
すっぱいかりんもふきとばせ
どっどど どどうど どどうど どどう

谷川の小さな学校に、見知らぬ赤い髪の少年がやってきました。
風がどうと吹いて、
教室のガラス戸がみなガタガタ鳴り、
うしろの山の萱や栗の木は
青じろくゆれています。
その子が、にやっとわらったようでした。
―――あいつは風の又三郎だぞ!

(『風の又三郎』宮沢賢治 著 旺文社文庫 裏表紙より)




高田三郎と、風の又三郎。
これらはいわば二重写しとなり、
子供達の心に「異人」との遭遇体験として
深く刻まれていきます。

9月12日、雨風の強い朝、子供達が学校に行くと、
高田三郎は父の仕事の都合でまた転校したと、
先生から聞かされるのでした。
風にガタガタ鳴る窓ガラスの音を聴きながら、
子供達は、
「やはりあいつは、風の又三郎だったのか・・?」
と、互いの心を探り合いつつ、
物語は終わります。



宮沢賢治。37歳の若さで亡くなった天才作家。
生前はほとんど無名で、
存命中に出版された本は『春と修羅』『注文の多い料理店』
の2冊のみですが、その後万人の認めるところとなり、
現在のような評価が定着しました。

宮沢賢治は、まーさんの大好きな作家。
学生時代、賢治の出身地・岩手県にも赴いて、
ゆかりの地をたくさん巡りました。



ところで。
岩手県と言えば、
現在大ブレイク中のNHK朝の連続ドラマ
「あまちゃん」
この舞台は、岩手県北三陸地方です。

お気づきの方もいらっしゃっると思いますが、
本ドラマの中に何度も登場するBGMに、
宮沢賢治作詞作曲「星めぐりの歌」があります。
まーさん、最初に聴いた時、
「あれ~どっかで聞いた曲・・・ああ、「星めぐりの歌」だ~~!!」
と驚きました。さすがクドカン、ちゃんと岩手県ゆかりの歌を
盛り込んでいますね。(あ、もしかしたら、こういう選曲は
脚本家ではなくて、音楽担当の人がやるのでしょうか??)



「星めぐりの歌」は、
賢治の『双子の星』『銀河鉄道の夜』に登場します。

『銀河鉄道の夜』は
ご存知の方も多いと思います。
当時大事件として話題になっていた、
タイタニック号沈没のエピソードも
盛り込みつつ、生と死、ほんとうの幸せ、
家族、友情等について描いた、
美しくも幻想的な作品です。

映画化もされています。
ますむらひろし氏の漫画を、杉井ギサブロー監督が
アニメーションにしました。
こちらも(登場人物はネコの顔になっていますが)大変美しく、
細野晴臣氏の不思議な音楽も素晴らしく、
原作に忠実な、幻想的な作品となっています。



話は飛びましたが、NHK「あまちゃん」、
機会がありましたら是非一度ご覧ください。
まーさんは朝ドラ、ほとんど見たことがなかったのですが、
種市浩一役の福士蒼汰くんのファンなので
(おいおい・・)、
「あまちゃん」は最初からずっと見ています。
(年甲斐もなく、スイマセン(汗)息子がハマっていた
「仮面ライダーフォーゼ」、そのフォーゼ役が福士くんだったのです。)



では、ご参考までに「星めぐりの歌」
お聴き下さい。







いかがでしたでしょうか。



『風の又三郎』から話は転々としましたが、
二百十日(立春から210日目。台風の多い季節)と言えばこの童話。

台風・異人という、非日常との出会いがもたらす不安と高揚感が、
子供達の方言に乗せて、鋭く描かれています。

つくづく、宮沢賢治は天才だと思う次第であります――


にほんブログ村 歴史ブログ 日本の伝統・文化へ
にほんブログ村
関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

「あめゆじゅとてちてけんじゃ」

まーさん様

宮沢賢治という名前と共に私は 「あめゆじゅとてちてけんじゃ」 こちらが蘇ります。

高校一年の時の担任、漢文の先生でした。この先生が「永訣の朝」を朗読してくれたのが忘れられません。普段はいつも漢文です。
よほどこの作品が好きだったのでしょう。
あまり生徒とも、他の先生とも付き合いのなかった孤独が好きな先生でした。
あまり自己主張も無かった先生でした。
それでも何故か「永訣の朝」を語ってくれました。

懐かしく思い出しました。

Re: 「あめゆじゅとてちてけんじゃ」

ハゼドン様

「永訣の朝」懐かしく思い出しました。

物静かで、孤独を愛する漢文の先生が語ってくれた「永訣の朝」
まるで小説のようです。

一体先生は、どのような思いでこの詩を朗読なさったのでしょう。
妹との永遠の別れに対する静かな慟哭・・・
悲しみは賢治の心を飛び出し、はるか宇宙の彼方へと昇華され、
透明な悟りすら感じられます。

ハゼドン様の懐かしい思い出を共有させていただき、
心より感謝いたします。ありがとうございました。

No title

これはまた素敵なピックアップです!

宮沢賢治さん、短命だったのが惜しまれますよね。

細野さん­は大好きなミュージシャンのおひとりです。
そのお祖父様が日本人ではただ1人タイタニックに乗船していた方だそうで、
細野さんがこの作品に関わられた事に運命的なものを感じてしまいます。

あと、私、ZABADAKというミュージシャンが好きなのですが、そちらでも銀河鉄道の夜が音楽化されているんです。
ちょっとだけご紹介させていただきますv
http://www.youtube.com/watch?v=mzH5OIx7ht8

Re: No title

くるみ様

ZABADAK、ご紹介ありがとうございます。
早速聴きました!!
研ぎ澄まされた空気と満天の夜空が、脳裏に浮かびました。
透き通るような素敵な曲ですね^^

細野さん、ワタクシも大好きです。
ワタクシ小中学生の頃、YMOの大ファンだったので(笑)
3人は自分にとって永遠のアイドル??です。
はっぴいえんどは、さすがにリアルタイムでは聴いてませんが(汗)
すご~~くすご~~く好きです!!

細野さんがおじいさまの足跡をたどられて、アメリカを旅する番組、
以前TVで見ました。
ギターを片手に、地元の人達とセッションする姿、かっこよかったですね。

No title

全然、「風の又三郎」から外れているかもしれませんが、
又三郎って、「もしかして、こんな子ひょっとして
日本のどこかにいるかもしれないなぁ~」って不思議な
感じの心象風景があると思うんです。

あるとき、あの例のミーハーヴァンパイアの小説
「トワイライト」を読んでいたとき、
「なんか、風の又三郎に雰囲気似ているなぁ」と思ったのです。

というのは、設定の場所が、アメリカはワシントン州のド田舎で
ほとんど雨ばっかりふっていて鬱蒼とした森林地帯の
フォークスっていうところなんですね。

本当はド田舎モンばっかり住んでいて垢抜けない人達ばっかりの
はずなのに、

ひと目を避けるように、ひっそりと暮らす絶世の美少年。
う~~ん、こういうの、日本に場所を置き換えたら、
たぶん、東北か北海道あたりにしたい、とか思ってしまいます。

やっぱり東北って「遠野物語」の場所ですからね…

Re: No title

sadafusa様

なるほど~~
「トワイライト」の世界、日本に置き換えると、
東北か北海道って、納得ですね~~

賢治を訪ねる旅の際、遠野も訪れました。
まるで別世界、異界の雰囲気が所々に隠されている気配が、
何とも言えませんでしたね。

>又三郎って、「もしかして、こんな子ひょっとして
>日本のどこかにいるかもしれないなぁ~」って不思議な
>感じの心象風景があると思うんです。

いやあ、全くその通りですね。
sadahusa様、さすがの表現力でいらっしゃいます!!
プロフィール

まーさん

Author:まーさん
息子と夫と私、考え方も行動もてんでバラバラな3人で暮らしています(笑)でも仲良しです。
音楽、映画、読書が好き。芸術鑑賞、外国語、旅行も好きです。ゆ~る・じゃぱんでは、日本大好きまーさんが暮らしのに漂う日本の香り・日本文化をゆる~く綴っていきます。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。