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阪田寛夫「葉月」

関西弁の、めっちゃ面白い詩があります。
阪田寛夫「葉月」です。



我が家の息子は、寝る前に必ず、
まーさんの読み聞かせorお話を要求します(^^ゞ

先日、ふと阪田氏のこの面白い詩を思い出し、
息子に語って聞かせようとしたのですが、
手元に詩集もなく、諳んじてもいず、
それどころか、題名すら忘れていました(汗)

「あのさあ、すごく面白い詩があるんだけど、
 忘れちゃったんだよねえ。
 ほんとに面白いんだよ。聞かせてあげたいんだよ。」

「でも、忘れちゃったんじゃ意味ないじゃん。
 いいから違う話してよ~~~!」
と、シビアな息子なのでした・・・。



ところが一昨日、少し時間が出来たので近所の本屋を冷かしていると、
見つけたのです、阪田寛夫氏の「葉月」が載っている本を!!

これです。
『詩のこころを読む』(茨木のり子 著 岩波ジュニア新書9)



本書は、詩人の茨木のり子氏が、ご自身の心に残る詩を、
解説をつけながら若い人たちに紹介しよう、
というコンセプトで編まれた本です。
目次を見ただけで、ため息が出てしまいました。
昔読んだ、まーさんが大好きな詩の数々。
もちろん、即買いでございます(笑)



阪田寛夫氏は、あの有名な童謡「サッちゃん」の作詞者でもあります。
まーさんも大好きな曲で、息子が小さい時はよく歌っていました。
特に3番がそこはかとなく切なくて、心に響きます・・・
氏はまた、『土の器』で芥川賞も取っています。
まことに才能あふれる、魅力的な方なのです。
2005年にお亡くなりになった時は、ひそかに落胆し、
改めて詩集を読んだりもいたしました。

それはともかく、氏の面白い恋愛詩「葉月」ですね。
そう、これは恋愛の唄なのです。
上記の本にも「恋唄」の分類で記載されています。



どのような詩なのか。
「面白い面白い」ばかり連呼しても、
皆さまいっこうにお分かりにならないと思いますので、
少しだけ引用させていただきます。
冒頭はこうです。



     葉月          阪田寛夫
   
 こんやは二時間も待ったに
 なんで来てくれなんだのか
 おれはほんまにつらい
 あんまりつらいから
 関西線にとびこんで死にたいわ
 
   
      ◇
 
      ◇
   
      ◇

死にたいわ、ってあなた、そんな大げさな・・・
いやでも――恋愛ってこういうもんかもな。
大好きな人に待ちぼうけ食らわされたら、
もう死んでしまいたいわ、みたいな・・・

このあと、詩では、
「でも、わるいのはあんたやない、わしや。
だって・・・云々」
てな繰り言?が続きます。

恋愛特有のおかしみと哀しみ――
思わず笑っちゃう、胸の内での独り言。



そして最後はこうです。

        ◇
   
        ◇

        ◇
 
 そやけど
 むかしから
 女に二時間待たされたからて
 死んだ男がおるやろか
 それを思うとはずかしい
                ――詩集『わたしの動物園』




オチもしっかりあって、いやあ、大好きです、この詩。



昔、この「葉月」を、子供達の前で朗読する機会がありました。
ワタクシ、関東生まれの関東育ち。根っからの関東人なのですが、
学生時代の友人や先輩(大阪・兵庫)のイントネーションを思い出しつつ、
関西弁風に語ってみたのです。
すると・・・
子供達に、大ウケでした~~(^^ゞ
「笑える!」「面白い!」「こんなにウケる詩があるんだ!」
「大げさだなあ」「でも気持ち分かる~~」などなど、
いろんな感想を寄せてくれました。



日本には、心を揺さぶる素晴らしい詩がたくさんあります。
「詩」というと、学校教育の影響が強いのか、
難解で教条的なイメージを持たれている方も中にはいらっしゃるようですが、
そんなことはありません。
ことば遊びの詩、実験的な詩、楽しい詩、美しい詩、
心の支えとなるような深い詩・・・様々です。

日本の素晴らしい詩が、多くの皆様の目に触れて、
一つでも琴線に触れる詩に出会えましたら、
こんなに素敵なことはないと思うのです。
そういう意味で、上記の茨木氏のジュニア新書『詩のこころを読む』は、
子供達にそんな機会を与えてくれる(もちろん大人にも)
格好の書だと考える次第であります。



もし、阪田寛夫「葉月」の全文がお読みになりたいと思われましたら、
ぜひ読んでいただけたらと思います。
今回掲載していない、あいだの部分が、またイイんですよ(笑)
関西弁で、声に出して、トライして下さいませ!!



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非公開コメント

わかりました。
ぜひ探して、読んでみたいと思った次第であります。

まーさん様。
次第に奥が深くなっていかれますね。
それは、小出し小出しにされていたご自分の内側の心情を、ついに溜め込み切れなくなり、溢れるばかりに発したいという魂の叫びにも似た、そういう迫力が、最近のまーさん様の記事から伺えます。

また大袈裟なぁ~(笑)

というまーさん様の苦笑いが想像できますが・・・(笑)

冗談ではなく、いつも為になる記事をありがたく!思っております。

それにしても、息子さん、可愛いですね!

No title

面白いナァ~

なんかこれを読んでいる男ノヒトは
きっと岸辺一徳なんじゃないか、とふと
思いました。

関西弁って、すごく深刻な場面でも、こういう風に話すと
どこか空っとぼけていて可笑しいですね。

わたくしは、故郷を去って、東京にほぼ10年程、
それから、京都に腰を落ち着けて、一番京都が長いです。

関西だったら、みんなおんなじ関西弁だろう、と
関東の人は思われるでしょうが、
京都は、大阪に比べて街も小さいし、
全体的な雰囲気が「の~んびり」してます。



この「葉月」という歌を詠んでいたら、
道綱の母の歌を思い出してしまいました。

嘆きつつ、ひとりねる夜の明くる間は
いかに久しきものとぞとは知る

こっちは、艶めかしい、悩ましい歌ですが…

Re: タイトルなし

ダメパパ様

「葉月」読んでみたいと思っていただけて、嬉しいです!!
きっと、ダメパパさんの感性に訴えかける詩であると、
ワタクシ確信しております(・・・謎)

「迫力ある記事」ですか!
また大袈裟なあ~(笑笑)

ワタクシ、言いたいこといっぱいある割には、まとめる力がなくて(^^ゞ
しかも人様の目に触れるものである以上、論証抜きで語れない部分もあり、
ブログを書くのは面白いですが、四苦八苦もしています…(@_@)

でもダメパパさんに素晴らしい評価をしていただいて、
本当にありがたいことです!嬉し涙で前が見えません(ノД`)・゜・。

ウチの息子、口が達者で憎たらしいですが、
お話してくれないと眠れない~~と言って大泣きする時だけは、
可愛らしいと思います(爆)

Re: No title

sadafusa様

岸部一徳!!
おお、確かにそんな感じですねえ( ゚Д゚)
関西弁の独特な雰囲気が、
この詩にぴったりです。

一括りに関西弁と言っても、その土地土地で全く違いますよね。
京都ののんびりなイントネーション、とても好きです。
関東でももちろん、それぞれの県で方言は全く違います。
ワタクシ、現在は埼玉(の東京寄り)在住ですが、
田舎のほうでは、「・・・だがね~」「・・・なん~」など、
のんびりした感じの方言があります。とても良いです。

道綱母の歌、こちらは「待たされる女」の悲哀ですね。
兼家みたいなデキる男を夫に持つと、
物語みたいな恋愛に憧れてるたけじゃ、どうにもならないんですよね~~
『蜻蛉日記』は人間の奥深い所を突いてくる、
優れた文学ですねえ。


No title

方言って味わい深いものがありますから、方言で書かれた詩って良いですね!関西弁だと、面白味が出やすいかもしれませんよね。
私は最近、北関東のイントネーションが、いいなぁと思っています。

それにしても、恋愛の詩がお子さんたちにウケるものなのですね~。知りませんでした。

恋愛って何なのでしょうね。その場は死ぬか生きるかという大騒ぎですが、非常にしばしば女性の場合、過ぎてしまうと何も残らない、と言いますよね・・・。

Re: No title

Ariane様

方言を聴いたり読んだりするのはとても好きです。
真似してしゃべるのも好きです。

北関東の方言も、良いですよね。
群馬と栃木(両毛線沿い)は、埼玉方言と同じくのんびりした感じ、
茨城と栃木(宇都宮線沿い)は、勢いがあって東北に近い感じ、
それぞれに味があります^^

恋愛ってホント、何なのでしょう(^^ゞ
「女性の場合、過ぎてしまうと何も残らない」
って、とてもよく分かります(汗)
最近では、恋愛のドキドキや切なさをすっかり忘れてしまった
枯山水のようなワタクシ、やはり、女性としてこれではいけませんねえ~~(@_@)

No title

関西弁の詩があるなんて、知りませんでした。
本当に面白いですねー。びっくりしました。
全然古い感じがしません。

いつも素敵な世界を教えてくださり、ありがとうございます!

ところで、さっちゃん、あれってさっちゃん亡くなっちゃうんですか?

No title

ご子息に読み聞かせをしておられるのですね。
素敵なコミュニケーションだと思います。

阪田寛夫さんという名を初めて知りました。
機会があれば、読んでみたいと思います。
と言いつつ、古典同様、まーさん様のブログで紹介していただくのを楽しみにしております。(笑)

知らなかったことをまた一つ知ることができました、ありがとうございます。

Re: No title

凛様

方言の詩ってすごく味があって大好きです。
阪田寛夫氏の詩は、どれもみんな好きなので、
機会があったら、またご紹介したいと思います^^

「サッちゃん」の3番の歌詞、
「遠くへ行っちゃう」
「ちっちゃいからぼくのこと忘れて」
は、サッちゃんが引越してしまうことだと解釈してました。
おそらく阪田氏も、そういう設定で書いたのだと思います。

でもさっき、ググってみたらこの歌、様々な都市伝説が
あるんですね(驚)
実は4番があって歌うと殺されるとか、サッちゃんは交通事故で死んだとか、
病死したとか・・・

全然知りませんでした~~(@_@)

Re: No title

ドナ夫様

読み聞かせ、面白いデス^^
つい調子に乗って読んでしまったりして・・・

阪田寛夫氏の詩はどれもすごく好きなので、
またご紹介できればと^^

詩・短歌・俳句、
昔はたくさん読んでたのですが、
実家に本を全部おいてきてしまい、
ほとんど記憶から飛んでしまいました~~(苦笑)

プロフィール

まーさん

Author:まーさん
息子と夫と私、考え方も行動もてんでバラバラな3人で暮らしています(笑)でも仲良しです。
音楽、映画、読書が好き。芸術鑑賞、外国語、旅行も好きです。ゆ~る・じゃぱんでは、日本大好きまーさんが暮らしのに漂う日本の香り・日本文化をゆる~く綴っていきます。

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