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『100分de名著 古事記 第四回「古事記の正体とは」』

皆さま、ご無沙汰しております(汗)

すっかり更新が遅くなってしまいました。
目の回るような忙しさ。
実際に目も回って(@_@)
ふらふらしながら暮らしておりました~~
お天気が安定しないせいでしょうか??


             ◇


では最終回、『100分de名著 古事記 第四回「古事記の正体とは」』に参りたいと思います。




オホクニヌシの国譲りが無事に行われ、アマテラスの子・ニニギノミコトが地上を治めるため降り立ったのは、「日向の国」でした。


<日向神話>
ニニギノミコトは沢山の供を連れ、都と定めるにふさわしい土地である、日向・高千穂峰に降り立つ。
そこで彼は美しいコノハナノサクヤビメと出会い、結婚を申し込んだ。ところがどうしたことか、ヒメの父はコノハナノサクヤビメと一緒に、姉のイワナガヒメも共につけて寄こしたのである。ニニギノミコトは、妹と違い非常に醜い姉を父の元へと送り返した。すると、父・山ノ神は怒って「美しい妹と醜い姉を共に差し出したのには相応の理由があったからなのだ。姉だけを送り返してくるとは。この行為によってお前は永遠の命をなくすことになるだろう。」と言う。
その後、コノハナサクヤビメは懐妊するが、一度の契りで懐妊した姫に対し、ニニギノミコトはあろうことか「それは本当に私の子か?」と疑いの目を向ける。怒ったヒメは自らの潔白を証明するために、産屋に火を放ち「この状態で無事に子供が生まれてきたならば、それはまさしくあなたの子(神の子)でしょう。」と言って、燃え盛る火の中でお産をする。そうして生まれたのがホデリ・ホヲリの二人の兄弟である。



この話はいわゆる「天孫降臨」のお話です。三浦氏によれば、当時は子孫繁栄のために複数の姉妹と結婚するのは普通のことでした。ところがニニギノミコトは、美しい妹だけを選んで、醜い姉を返してしまうのです。
姉→岩石(永遠を象徴)
妹→木の花(美を象徴)
「永遠を拒否して美を選ぶ」ここに、人間の宿命(寿命)が生まれた
のだと、三浦氏は言われます。ニニギノミコトは神として地上に降り立ちましたが、「美しいけれども散ってしまう花」だけを選び、そのために人間には寿命が与えられたという起源説が、この話なのだというのです。
また氏は、
「「天孫降臨」はなぜ日向という辺境の地なのか。なぜヤマトに最初から降りてこないのか」
という司会者の質問に、
「建国神話は、辺境の地にまず降り立って、そこから中心へ入ってきた、と語られることが多い。この話は、苦難を経て建国がなされたという典型的なパターン」
であると述べておられました。




<ホデリ・ホヲリの話>
コノハナサクヤビメから生まれた兄ホデリ・弟ホヲリはそれぞれホデリ=海、ホヲリ=山で狩りを行う。ある時、弟ホヲリは兄に「それぞれの道具を交換して狩りをしよう。」と持ち掛ける。そして交換した道具で狩りをするも、なかなかうまくいかない。そのうちホヲリは、兄の大事な狩り道具である釣り針をなくしてしまう。代わりの物を作って何度も謝ったが、兄はどうしても許してくれない。そこに塩の神様がやってきて、ホヲリに「海の神がいるワタツミの宮に行けば、良い方法を教えてくれるだろう。」と言い、ホヲリを海へと送り出す。
ワタツミの宮に到着したホヲリは、海の神ワタツミの娘である、美しいトヨタマビメを妻にもらい、楽しい日々を送り、瞬く間に三年が過ぎた。
しかし三年が経ってホヲリはここに来た理由を思い出し、ワタツミに事情を話した。そこでワタツミは海の魚たちを集め、ホデリの釣り針を探し出し、更にはその釣り針を兄に返す時の呪文を教えてくれた。
こうして送り出されたホヲリは、呪文を唱えながら兄に釣り針を返すと、その釣り針には魚がかからなくなり、困り果てた兄ホデリはとうとう最後には「今後はホヲリのために仕える。」を誓いを立てたのだった。



この話が有名な海幸彦(ホデリ)・山幸彦(ホヲリ)のお話です。
三浦氏は、「ホヲリはニニギノミコト(神の力を持って降臨)とコノハナノサクヤビメ(山の神)との間に生まれ、トヨタマビメ(海の神)と結婚する。つまり、神の血筋、陸の力、海の力を手に入れて万能になったのがホヲリ(海幸彦)なのだ」と言われます。だから、ホヲリが地上の王者になるのは当然であり、また、ホヲリとトヨタマビメの子は、カムヤマトイハレビコ(初代・神武天皇)であるから、ホヲリが正当の系譜として兄に勝つのは、最初から決まっていること(兄は最初から悪役をふられている)、と仰っていました。


「海の彼方に出て行って力をつけて帰って来る」というホヲリの話は、「高貴な者が辺境の地へ行き、新たな力をつけて帰って来る」という「貴種流離譚」の典型だと、まーさんは思いました。






<ヤマトタケルの話>
第12代景行天皇の皇子・オウス(ヤマトタケル)は、父の寵姫を奪った兄を、素手でむごたらしく殺してしまう。父のためにやったことだったが、それを機に、父はオウスを恐れるようになる。そして、身辺から彼を遠ざけるため、熊襲討伐へと向かわせる。女装して熊襲兄弟を討ち取ったオウスは、ヤマトタケルの名を賜る。討伐から帰ったヤマトタケルは、再び父・景行天皇の命により、蝦夷討伐へと向かわせられる。ここで彼は、初めて自分が父に疎まれていることに気づき、嘆き悲しむ。それでもヤマトタケルは蝦夷討伐を果たし、その帰途、命を落としてしまう。彼の魂は白鳥となって、空の彼方へと飛び去ったのである。



日本人に人気の高い「ヤマトタケル」の話。
三浦氏によれば、その人気の秘密は、ヤマトタケルの持つ性質(非常に強いが、父に疎まれるというかげを持ち、しかしながらそれを補うように支える女性達(叔母・妻)がいる)が大きく関係しているのではないかということでした。そしてこれは、似たような境遇を持つ「源義経人気」にも相通じるものがあると仰っていました。

また三浦氏は、ヤマトタケルノミコト説話を『古事記』と『日本書紀』で比較し、次のように図式化しておられました。

『古事記』    ←正反対→    『日本書紀』(国の正史)
名:倭建命             名:日本武尊
・異端               ・正統
・暴力的              ・忠実な息子
・父親に疎まれる。         ・父親に信頼される。


『日本書紀』が「正史として、天皇の素晴らしさを語るためのもの」であるのに対し、『古事記』は「敗れていった人物にスポットライトを当てるためのもの」である。つまり、同じ話が、語り手によってこうも違う様相を呈してくるのであり、物語として見るならば、断然『古事記』のほうが面白い、と三浦氏は言っておられました。




<『古事記』とは?―まとめ―>
○『古事記』=敗者の側から語られた物語であり、
 敗者への共感が基本的なスタンスとしてある。そこが面白い。
○『古事記』に込められた思い
 歴史とは、一つの出来事であっても、誰が見るかによって変わる。
 歴史は一つではない。
○大和朝廷の語る、正統な歴史ではない『古事記』のような語りに、
 本当は真実が埋め込まれているのかもしれない。
○「語り」とは、“栄光”を語るためだけではない、
 ”敗者のための物語”を語るためにも存在する。
 「死んだ人たちの魂を慰める「鎮魂の物語」を語ること」
 これが、語りの役割である。





三浦氏の分析する『古事記』を通して、まーさんは

○「なる」という動詞に象徴される、絶対神のいない日本の特徴
○縄文(自然)→弥生(人工)への、神話での描かれ方
○「日本海文化圏」という考え方
○『古事記』の持つ二つの世界観
(水平的世界観【縄文的・南方的】と垂直的世界観【弥生的・北方的】)
 の混在と、日本(人)の在り方の関係性
○歴史は一つではない。
(それは「敗者のための物語」として語られた『古事記』に、如実に表れている)

など、今後「日本」を考える上で、思考の深化に役立つであろう
見解を手に入れることが出来ました。





今回の「100分de名著 古事記」で得た知識を一つの参考にし
ながら、まーさんは更に「日本及び日本人とは何か」について、
考えていきたいと思います。




四回にわたる長文をお読みいただき、
ありがとうございました!!


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非公開コメント

No title

こんにちは。
お忙しいようですね。
私も、このところ、どうしてこんなに時間がないんだろう、という感じです。

神話解釈のように、正解というものがないものは、私にはとても難しく感じられますが、興味深く拝読致しました。
最後に纏められている中で、特に、「歴史は一つではない。歴史とは、一つの出来事であっても、誰が見るかによって変わる」という点は、言われてみると当たり前ですが、あまり顧みられてこなかった事かもしれないと思いました。そして、「敗者のための物語」の存在も、まーさんは指摘しておられます。私たちに直接関係のあるところでは戦後の日本もそうですが、正当とされる歴史認識は、勝者の物語ですね。
 

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No title

大変面白く拝読いたしました。

☆すみません、以前、創世記ヤコブと書いたのは
実はその息子のヨセフでした。

でも、ヤコブは実は双子のほうの弟で、本来なら、
あととりではなかったのですが、長男よりヤコブを愛していた
母親の姦計により、あととりになったのです。

似てますね。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
たしか、日本書紀のほうが、対中国に見せるための、
国策としての正史なんだと思います。
たしか、全文漢文でしたっけ?

で、なぜ古事記があるのか、と私なりに考えると、
本来なら、こういう負の歴史っていうのは
闇に葬り去られるものですよね。

だけど、ほら、有名な菅原道真のような左遷されて
憤死した霊が怨霊になって、災いをもたらす、という感覚は、
案外、古事記の時代から
日本人の中にあったんじゃないでしょうか?

ヤマトタケルの物語は、イギリスの古い時代の、
ケルト人の王であった、アーサー王を思い出させます。

ヤマトタケルは白鳥になって飛んで行ったけど、
アーサーは、精霊たちによって、アヴァロンの島へと
運ばれていく。なんとなく、もわ~と白い霧に包まれたような
感じが似ている…。

Re: はじめまして♪

鍵コメ様

はじめまして!!
コメントありがとうございました^^
とても嬉しかったデス!!

土日を使って、ちょっと小旅行に出かけておりまして、
返信が遅くなってしまいました(汗)
せっかくコメントいただいたのに、申し訳なく・・・

鍵コメ様は、ニニギノミコトがお好きなのですね。
『古事記』にもとてもお詳しいご様子、すごいですね(≧▽≦)
ワタクシはちょっとかじったくらいで、
あまり詳しくないのですが(^^ゞ
『100分de名著』を観て、とても興味を惹かれました。

全ポチ応援していただいとのこと!!
感激です^^ありがとうございます!!

もしよろしければ、これからも拙ブログをのぞいていただければ、
大変うれしく思います(*^^*)


Re: No title

Ariane様

おはようございます。
土日にちょっとしたお出かけをしていたので、
返信が遅れました(汗)

Ariane様も、ここの所お忙しかったようですね(@_@)
その後、いかがですか??

「神話解釈には正解がない」とのご指摘、思わず頷いてしまいました。
ワタクシは大学で文学を専攻しておりましたが、
文学研究というのは、まさに「正解のない世界」・・・
ここが面白くもあり、しかしもどかしいような何とも言えない気持ちになります。

「歴史は一つではない」という言葉は、とても印象に残りました。
学校教育では、その国家の正当性を維持するという意味も含めて、
一つの視点から(時には漠然とした記述で)、歴史が語られていると思います。
しかし、「多角的視点」の獲得は、オープンマインドの育成という意味で、
非常に重要であると考えます。
教育の中で、そうした「多角的視点」への興味関心を広げる試みがなされることを、
ひそかに期待しています。

Re: No title

sadafusa様

おはようございます。
返信がすっかり遅くなってしまいました・・(汗)

『古事記』の存在は、「菅原道真の魂鎮め」的な意味合いも
含んでいるのではないかというお話、すごく面白いですね~~
敗者の鎮魂を、言霊の力でなしとげるという考え方は、
確かに、大昔の日本から続いていたのかもしれない、
とsadafusa様のコメントを拝読して、感じました^^

それにしても「怨霊と化した道真が、神様に転化してしまう」という
システムも、なんか面白いですね。
これについても、研究している学者さんがいたと思いますが、
気になりつつ本などは読んでいません・・・(^^ゞ

ヤマトタケルの魂が白鳥となって去る、というのは、とても美しいですね。
アーサー王との類似ですか~~なるほどです!!

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Re: No title

鍵コメ様

再度返信いただき、ありがとうございます^^

梅原猛の『ヤマトタケル』ですか~~!
コメントを拝見し、読んでみたくなりました。
ご紹介ありがとうございました^^

『古事記』の物語は、それぞれ魅力的で、
文学作品として、非常に優れているなあと思います。

No title

まーさん

↑のコメ読んで思ったのですが、
たしか梅原猛の「ヤマトタケル」は
山岸涼子が漫画化していたと思います。

結構面白く読みました。だいぶ昔ですが。

それと関連して思い出したのですが、
同じく山岸涼子の作で「青々の時代」という
古代のたしか、卑弥呼かなんかの漫画だったと思うのですが、
これも、出雲vs 伊勢の話だったと思います。

あと、天孫降臨の話は、実は
騎馬民族に征服されたのではないか、という
スタンスで描いたのに、手塚治虫の「火の鳥」の
う~~ん、黎明編???か何かに書いてあった思います。

わたくし、文字ばっかりの本も好きなのですが、
一流の漫画家の描く話って、そこらの安っぽい小説より
よっぽど、勉強して研究してあるし、
読み応えあるんですよね。

もし、読んでおられないようなら、ぜひご一読あれ。

Re: No title

sadafusa様

わあ~~!!
漫画のご紹介、ありがとうございます。
ワタクシも、一流の漫画家の作品は大好きで、
日本の宝だと思っておりますヽ(^。^)ノ

山岸涼子は高校生の時『日出処の天子』を読んで
ハマりました!
『ヤマトタケル』と『青々の時代』は未読です。
絶対読みます!
『火の鳥』は図書館で借りて読んだのですが、
細部は忘れてしまいました(^^ゞ
もう一度読み返してみたいですね。

ご紹介、重ねてありがとうございました!!

No title

こんにちは。

天照国照彦天火明櫛玉饒速日命(アマテルクニテルヒコアメノホアカリクシタマニギハヤヒノミコト)さんの降臨の地は、今でも各地に残っているみたいですね~。
由緒や古事記など知らないのですが・・
その一つに磐船神社があるんですけど、二度ほど会いに行こうと出かけたのですが、2キロの所まで近ずいているのに、たどり着けませんでした^^;
ちょっとここで勉強させていただいて、もう一度会いに行こうともくろんでおります v-375オニニギリのヽ(・、 .)ノコケッ

Re: No title

店長♪様

天照国照彦天火明櫛玉饒速日命(アマテルクニテルヒコアメノホアカリクシタマニギハヤヒノミコト)
すごく長いですねえ~~(@_@)

降臨の地は、各地に残っているのですね。
磐船神社のご神体・舟形巨岩、圧倒されます!!
店長♪様、お出かけになられたら、ぜひ感想をお聞かせくださいませ。
2キロのところまで近づいているのに、たどり着けなかったのは、如何・・・??
ですね( ゚Д゚)
プロフィール

まーさん

Author:まーさん
息子と夫と私、考え方も行動もてんでバラバラな3人で暮らしています(笑)でも仲良しです。
音楽、映画、読書が好き。芸術鑑賞、外国語、旅行も好きです。ゆ~る・じゃぱんでは、日本大好きまーさんが暮らしのに漂う日本の香り・日本文化をゆる~く綴っていきます。

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