スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

まーさん超訳『竹取物語』~五人の求婚者①~

今日は一月七日。春の七草をいただく日ですね。

まーさんは今朝、七草粥を作りました。
IMG_0262_convert_20140107124709.jpg

せり
なずな
ごぎょう
はこべら
ほとけのざ
すずな
すずしろ


仄かに漂う青草の香りに、春の気配を感じた朝でした。


                 ◇


それでは超訳『竹取物語』にまいりたいと思います。




まーさん超訳『竹取物語』~五人の求婚者①~



その後も、多くの貴公子達がかぐや姫の家を離れず、そこで夜を明かし日を暮した。

しかし何の音沙汰もないまま過ぎゆく日々に、それほど熱心でなかった者達は、

「これ以上、無駄なことをしても仕方がない・・・」

と言って、やがて姫の家に足を向けなくなっていった。


そんな中、変わることなく結婚を申し入れる者達がいた。

世で“色好み”と言われていた五人の貴公子である。

彼らの姫を想う気持ちは止むことなく、昼夜を問わず姫の元に通い続けた。

その五人の名前は、


石作りの皇子(いしつくりのみこ)

くらもちの皇子(くらもちのみこ)

右大臣阿部御主人(うだいじんあべのみうし)

大納言大伴御行(だいなごんおおとものみゆき)

中納言石上麿足(ちゅうなごんいそのかみのまろたり)


であった。



この方々は、世にいくらでもいる程度の女でさえ、少しでも容貌が優れている

と聞けば自分の妻としたがるような人々だったので、

ましてやかぐや姫ほどの人ならば、どうしても妻にしたいと思い、

物も食べず思い焦がれ、姫の家に行ってはたたずみ歩く。

しかし、どうにも効果はない。恋文を書いて送るのだが、返事も全くない。

苦しい心の内を和歌にして送るけれども、何の効果もなく、

徒労に終わると分かっていながら、十一月・十二月の雪が降り氷が張る時にも、

六月の厳しい太陽や雷の轟く日にも、変わることなく姫の家を訪れたのであった。



この貴公子達は、姫の元にやって来ては翁を呼び出し、

「どうかあなたの娘をわたくしに下さい」

と伏し拝み、手をすり合わせてお願いする。しかし翁は、

「姫は、わたくしの実の子ではないので、残念ながら

わたくしの心のままにはならないのです。」

と言って、そのまま月日は流れていった。

このような有様なので、貴公子達は家に帰っても物思いにふけり、

姫を手に入れられるよう神仏に一心に祈り、願いをかける。

姫への想いは、全くもって尽きることがない。

「翁はあんな風に言っていたが、だからといって一生結婚させない

ということがあろうか、いやそんなことはなかろう。」

と思い、そこに一縷の望みをかけている。そして、わざとらしく、

姫への想いを見せつけるように、家の周りを歩きまわるのだった。



このような五人の様子を見て翁は、かぐや姫とこんな話をした。

「わたくしの大事なかぐや姫、あなたは神仏が下された変化(へんげ)の人

ではありますが、こんなに大きくなるまでお育てしたわたくしの気持ちは、

並大抵のものではございません。ですから、この翁の申し上げることを、

どうかお聞き届けになっては下さいませんか。」

「どんなことでも、おっしゃることを承らないことがありましょうか。

変化のものでありますこの身をわきまえず、あなた様を

本当の親と思い申し上げておりますのに。」

「嬉しいことをおっしゃるものですなあ・・・

この翁は、年も七十歳を過ぎてしまいました。

ですから、今日明日とも分からぬ命です。

そしてこの世の人は皆、男は女と結婚し、女は男と結婚する習いです。

それでこそ一族も繁栄するのです。

人として、どうして結婚しないでいてよいことがありましょうか。」

「・・・なぜ、結婚せねばならないのでしょう。私には分かりません。」

「いくら変化の人とは申せ、あなたは女の身を持っていらっしゃいます。

この翁が生きている間は、独身のままでもいられるでしょう。

しかしその後はどうなさるおつもりですか。今こちらにおいでになっている

五人の貴公子が、長い間心を変えることなく姫の元へ通い続けていることを

よくお考えになり、その中のお一人と、どうかご結婚申し上げて下さい。」

「わたくしは、特別容貌が美しいというわけではありません。

だから、相手の方の愛情の深さも分からぬまま結婚し、

後ででその方が浮気心を起こしたならば、きっと後悔するだろうという、

ただそれだけなのです。世間では素晴らしいとされている人であっても、

愛情の深さを確認すること無しには、結婚することは難しいと思っております。」

「姫よ、あなたはわたくしと同じことを思っておいでなのですね――しかし一体、

どのような愛情をお持ちの方と、ご結婚なさりたいのですか。

五人の方々は、どなたも非常に愛情の深い方とお見受けいたしますのに。」

「どれ程の深い愛情を見ようというのでもありません。ほんの少しのことなのです。

五人の方々の愛情は、どなたも同じくらいのようにお見受けいたします。

ですからこの中で、愛情の優劣を量ることは難しく思われます。

そこでわたくしは、五人の中で、わたくしの見たいものをお見せ下さった方に、

ご愛情が優っているとしてお仕え申し上げたいと思います。

このことを、その、そこにいらっしゃる方々に申し上げて下さい。」

「良いお考えです。さっそくお伝えしましょう。」


こうして翁は、かぐや姫の申し出を、五人の貴公子に伝えることとなった。





「女性の結婚」について、中々に深い問題を突き付けてくる『竹取物語』。
翁、かぐや姫、五人の貴公子――
それぞれの思惑は、今後どう集結していくのでしょうか。

次回に続きます。



参考文献
*『日本古典文学全集8 竹取物語 伊勢物語 大和物語 平中物語』(小学館)
*『岩波古語辞典』(大野晋 佐竹昭広 前田金五郎 編)



にほんブログ村 歴史ブログ 日本の伝統・文化へ
にほんブログ村

関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

まーさん様。

こんにちは!
七草粥がとても美味しそうです。
たくあんと梅干しも。
我が家でも七草粥をいただきました。
卵も入れたおじや風でした。

竹取物語の再開を楽しみにしておりました。私、きちんと読んだことがありませんので、続きが楽しみです!

Re: タイトルなし

ダメパパ様

こんばんは!

お忙しい中、コメントをありがとうございます。
七草粥、ダメパパ様のお宅はおじや風だったのですね。
美味しそう(≧▽≦)
それぞれのご家庭で、色々な味付け・調理の仕方があるのでしょうねえ。
春の香りを感じた朝食でした。

『竹取物語』を楽しみにしていただき、とてもとても嬉しいです!!
更新の励みになります^^
最初から最後まで、原文で読みとおした方は少ないのではないかと思います。
これからもちょこちょこと超訳してまいりますので、
どうぞ応援よろしくお願い致します(*^^)v

プロフィール

まーさん

Author:まーさん
息子と夫と私、考え方も行動もてんでバラバラな3人で暮らしています(笑)でも仲良しです。
音楽、映画、読書が好き。芸術鑑賞、外国語、旅行も好きです。ゆ~る・じゃぱんでは、日本大好きまーさんが暮らしのに漂う日本の香り・日本文化をゆる~く綴っていきます。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。