スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

まーさん超訳『竹取物語』~阿部の右大臣と火鼠の皮衣①~

昨日、映画「永遠の0」を観ました。
例によって、号泣しました・・・(T_T)

見どころは「全編に貫かれた人間愛」「過去と現代を繋ぐ謎解き」
「戦闘シーンのリアルな迫力」でしょうか。

とりわけまーさんは、映画の主要人物である宮部久蔵の、
『己の心にあくまでも忠実であろうとする生き方』
『徹底的に純粋かつ誠実な心の在り様』
『家族を含め命に対する切実な愛情』
に、強い衝撃と憧憬の気持ちを抱きました。

現代日本は、あの悲惨な太平洋戦争を礎として、今ここに存在している。
そして我々日本人は、戦争を生き抜いた人々の子孫として
ここに命をもらって生きている。
さらに言えば我々の存在は、戦争によって命を落とされた多くの日本人の
思いや志の上に成り立っている――

そんなことを強く感じ、いつまでも心が揺さぶられ、
ふとした時に思い出し思考の海溝に沈んでしまうような、
そんな切り口の多い、見どころある映画でした。



             ◇



まーさん超訳『竹取物語』~阿部の右大臣と火鼠の皮衣①~


《あらすじ》
右大臣阿部御主人は、財産が豊かで、繁栄を誇る一門の人であった。その年にやって来て知り合いとなった、唐船(中国船)の王けいという人に手紙を書き、
「火鼠の皮とかいうものを、買って寄こして欲しい」
としたため、家来の中でも心のしっかりした、小野のふさもりという人を手紙と共に遣わすことにした。ふさもりは唐土(中国)に渡り、王けいのもとを訪れ、彼に金を授ける。王けいは、右大臣からの手紙を広げて読み、返事を書く。

「火鼠の皮衣は、この唐土にはない物でございます。噂には聞いておりますが、いまだ見たことがございません。この世に存在するものならば、誰かが我が国に持って参るでしょうが・・・これは大変難しい交易です。しかしながら、もし天竺(インド)に万が一渡来していましたら、ひょっとしたら長者の家などを訪ねて手に入れることが出来るやもしれません。この世にない物ならば、使者に添えて金をお返しいたしましょう。」

しばらくして、小野のふさもりを乗せた唐船が日本に戻って来た。彼が帰国し、都に参上すると聞き、右大臣は矢も楯もたまらず、足の速い馬を走らせ、迎えに行かせた。驚いたことに、ふさもりはたった七日で築紫から都に帰って来た。彼が持ち帰った王けいからの手紙を見ると、次のように書かれてあった。

「火鼠の皮衣を、人を使わしてようやく手に入れることが出来ましたので、お届け申し上げます。今の世でも昔の世でも、この皮は簡単に手に入るものではございません。しかしながら昔、恐れ多くも霊験あらたかな天竺の高僧が、この唐土の国に持って渡っていたのです。その品が西の山寺にあると聞き及びまして、朝廷に申して、やっとのことで買い取り、貴方様にこうして献上するのでございます。実はその時、『代金が少ない』と、買い取りをした国司が我が使いの者に申したので、この王けいの金を加えて買いました。ですから、金をもう五十両頂戴しなければなりません。万が一、その金がいただけないのであれば、あの衣を返していただきとう存じます。」

このように記してあるのを見て、右大臣は、
「何をおっしゃるか。金は、あと少し必要なだけではないか。しかし何とまあ、嬉しくも皮衣を送ってくれたものよ。」
と言って、唐土の方に向かって伏し拝みなさる。

この皮衣を入れた箱を見ると、様々の立派な瑠璃を彩色して作ってある。皮衣はと見れば、金青(こんじょう)の色をしており、毛の末には、金色の光が輝いている。まさに宝物と見え、立派なことこの上もない。《火に焼けない》ということよりも、とにかくその類まれなる美しさが限りもないのである。

「なるほど、かぐや姫がお求めになりたがるのは合点がいくのう。」
とおっしゃって、「ああ、尊いこと」と箱にお入れになり、木の枝に付け、ご自身の化粧もたいそう念入りになさった。右大臣は「このまま婿として姫の邸に泊まることになろうぞ」と思い、歌を詠んで先ほどの木の枝に付け加え、持参した。その歌は、



かぎりなき思ひに焼けぬ皮衣袂かわきて今日こそは着め

≪限りないわたくしの思ひの火にも焼けないという皮衣、

それを手に入れて、この上もない恋の思ひに泣きぬれていたわたくしの袂も、

今日こそは乾いたまま着ることが出来ましょうぞ≫

と書かれている。





次回に続きます。



参考文献
*『日本古典文学全集8 竹取物語 伊勢物語 大和物語 平中物語』(小学館)
*『岩波古語辞典』(大野晋 佐竹昭広 前田金五郎 編)



にほんブログ村 歴史ブログ 日本の伝統・文化へ
にほんブログ村
関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

No title

ブログのあちこちでもこの映画が話題になってます。
是非みてみたい映画ですね。
果たしてこっちでこの映画が上映されるかどうか・・。

Re: No title

yoyo様

こんばんは^^

「永遠の0」、こちらでは大ヒットしております。
あちこちのブログでも話題になっているのですね!!

原作は、百田尚樹氏のデビュー作『永遠の0』ですが、
とても気になって、つい先日、本を買ってしまいました(^^)
今から読むのが楽しみです。

百田氏によれば、原作のラストシーンは、映画では省かれているそうですが、
氏はその場面を、マスカーニの歌劇「カヴァレリア・ルスカティーナ」間奏曲を
聴きながら、涙をボロボロ流しつつ執筆したとのことです。

そのラストシーン、
ワタクシも「カヴァレリア・ルスカティーナ」を聴きながら
読んでみたいと思っています。
プロフィール

まーさん

Author:まーさん
息子と夫と私、考え方も行動もてんでバラバラな3人で暮らしています(笑)でも仲良しです。
音楽、映画、読書が好き。芸術鑑賞、外国語、旅行も好きです。ゆ~る・じゃぱんでは、日本大好きまーさんが暮らしのに漂う日本の香り・日本文化をゆる~く綴っていきます。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。